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自己推薦書の書き方を解説!テンプレや合格例文で書き出し方・締め方が分かる
目次
総合型選抜で受験を考えている受験生のみなさん、自己推薦書の書き方で、例えばこんなことに困っていませんか?
「自己推薦書の書き方がわからない」
「自己推薦書で何が求められているのかわからない」
「そもそも自己推薦書がなんなのかわからない」
この記事は、そんなあなたが読み終えるころには自信をもって自己推薦書を書き始められるように、はたらく部総合型選抜アカデミーの講師陣に詳細なインタビューをした上で自己推薦書の書き方を、例文を交えて詳しく解説しています。
読み終わる頃には、自己推薦書を書き始められるようになっていること請け合いです。ぜひ最後までご覧ください。
自己推薦書とは
総合型選抜では主に2種類の審査があります。
①書類審査(小論文や志望理由書など)
②対人審査(面接、プレゼンテーションなど)
自己推薦書は①書類審査で提出を求められるものになります。
そんな自己推薦書についてわかりやすく解説します!
そもそも自己推薦書って?
自己推薦書とは、「なぜあなたが志望する大学への入学に適しているのか」を自身の経験、強みや長所などを交えて記載するものになります。
自己推薦書の文字数は大学によって異なりますが、800字〜2000字がほとんどです。指定文字数の9割は書きましょう。
また文字数制限ではなく、下線が引かれた紙に記載する場合もあります。なるべく最後の行まで記載するとよいでしょう。
なぜ大学が自己推薦書の提出を求めるのか
大学が自己推薦書の提出を求める理由は自己推薦書を通して「あなたの人間性(どんな人物なのか)を見るため」です。
人間性とは、「あなたが大学が求める生徒像とマッチしているのか」ということです。
つまり高校生活でどんなことを経験し、その経験から何を学んだのかを振り返り、自分にしか書くことができない、唯一無二の自己推薦書を書きましょう。
自己推薦書と志望理由書の違いについて
自己推薦書と志望理由書の大きな違いは「求められている内容」にあります。
上記でも記載したように自己推薦書では「なぜあなたが志望する大学への入学に適しているのか」を求められます。
一方、志望理由書では「なぜあなたがその大学を志望するのか」を記載します。
つまり自己推薦書と志望理由書の違いとは、求められている内容の切り口が違うということです。
志望理由書の書き方に関してはこちらの動画を参考にしてください。
このチャンネルでは受験でためになる情報を、総合型選抜で難関大学の合格を勝ち取った現役大学生と総合型選抜講師(はたらく部代表)がわかりやすく解説しています!
【簡単4ステップ】自己推薦書の書き方
ここからは実際に自己推薦書を書き始めるにあたり、どんなことに注意すべきなのか、書く際のステップなどを4つに分けて掲載します!
①事前準備
まず第一段階として行うのは、書くための準備です。いきなり思いついたことを書き始めるのではなく、自身について深掘りをし、そのうえでアドミッションポリシーとすり合わせる必要があります。
自身の活動を振り返り自分だけの強みを知る
高校在学時、多くの活動に取り組んできたと思います。例えば部活動、生徒会、委員会、校内ボランティア、校外活動などが挙げられるでしょう。
まずは、上記のような内容から、自身が取り組んできた何かしらの活動を洗い出しましょう。
その後、その活動から何を学んだのかを書き出してみましょう。当時は思い付きで行動していたことでも改めて振り返ってみると、「こんな力がついていたのかも…!」と理由付けをすることで新たな強みを見つけることができます。
自分だけでは気づくことができなければ、家族、友達、先生など周りの人に頼ってみることも良いでしょう。自分では気づくことのできなかった「客観的な強み」に出会うことができます。
〈例〉
活動:3年間クラスの学級委員長を務めた
学んだこと、身に着けたこと:クラスをまとめてきた経験により、リーダーシップ、巻き込み力を身に着けることができた。
自己推薦書の活動例
自己推薦書で活動エピソードとなりそうな活動例を記載します。
〈学内の活動〉
・委員会活動
・クラス委員長(学級委員長)
・生徒会
・部活動
・学内ボランティア
〈学外の活動〉
・海外留学
・地域貢献活動
・芸術・文化活動
・学生起業
・教育系イベントへの参加
・スポーツクラブ
②下書きをする
自身の経験や強みを整理することができたら、早速下書きをしましょう。いきなり本書きをするのではなく、ノートや紙に記載することをおすすめします。使える人は、メモアプリやGoogleドキュメント等に記録として残しておくと、後で見返したり、書いたものが紛失するなどのリスクを回避できます。
また大学からの指示に従って敬体(です。ます。表現)、常体(だ。である。表現)を使い分けましょう。
はたらく部総合型選抜対策コース講師陣の見解として、特に指示がない場合は常体を使用することをおすすめします。敬体だと余分な文字数を使うことになることがデメリットとしてあるためです。
なお、その他の細かい表現については下記を参考にしてください。
・文章に大学名を記載する際:〇〇大学→貴学
・一人称:僕、自分、俺→私
自己推薦書の文章構成
自己推薦書の書き方には正解は存在しません。そのうえで、下記を参考に記載すると読み手(試験官)にとってあなたの強みや経験をわかりやすくアピールすることができます。
ぜひ下記を参考に下書きをしてみてください。
①自身のアピールポイント(強み)
②アピールポイントを裏付ける、経験エピソード
③自身の強みを入学後どのように活かすのか
④入学後にあたっての決意(大学生活で成し遂げたいことなど)
一目置かれる自己推薦書の書き方
自己推薦書で周りに差をつけ、一目置かれる方法を紹介します。
上記でも記載したように自己推薦書とは「あなたの人間性(どんな人物なのか)を見るもの」です。つまり読み手(大学の試験官)があなたが大学に入学し活躍することをより鮮明に伝える必要があります。自身の強みをどのように活かし、どのような成果を残すのかを具体的に記載しましょう。
③下書きを添削する
下書きを最後まで書き終えたら、添削をしましょう。自分では気づくことの出来なかった、ケアレスミスの発見や、文法の誤り等を見つけることができます。
添削の相手には、学校や塾の先生に確認をお願いするのが良いでしょう。
また1度に限らず何度も添削をしましょう。何度も下書きと添削を往復する作業を繰り返すことが最重要ポイントです。
※ちょっとだけ宣伝ですが、はたらく部総合型選抜対策コースでは無制限添削を実施しています。ご興味ある方はぜひ無料体験にいらしてください!
④本書きをする
納得いくまで下書きを作成したら、本書きをしましょう。本書きの書類は大学に提出することになります。誤字脱字に気をつけ、綺麗な字で丁寧に記載しましょう。
本書きを書く際にはまず鉛筆やシャープペンシルで薄く下書きをし、その後ペンやボールペンで上書きしましょう。(大学によってはデジタルでの提出を求められます。)
自己推薦書の書き方のコツ3選
ここでは上記のステップを進めていく上で、必要になる知識や、抑えておくべきポイントを記載します。
下記の3つのコツを参考にして、よりよい自己推薦書を作成しましょう!
①結論ファーストで記載する
結論ファーストという言葉をご存じでしょうか?結論ファーストとは、「内容の最初に結論を持ってくる」という書き方です。
日本人はこの結論から話すということを苦手としています。
例えば、このような会話を経験したことはありませんか?
母:「今日は何をして遊んでたの?」
子:「今日は、友達のA君と昼から公園に行ったんだけど、外が暑かったからA君の家でゲームをしてた!」
このような会話の場合、結論になるのは「A君の家でゲームをした」ということになります。
前提の共有や理由は結論の後に述べることで、質問に対して端的に答えることができます。
自己推薦書においても、結論から記載することが重要です。聞かれた問いに対しての結論を明らかにし、結論から文章を書き始められるように工夫しましょう。
②文章に一貫性を持たせる
自己推薦書に限らず、総合型選抜で提出を求められる書類には一貫性を持たせる必要があります。そのために、あなたの進路計画を遠未来(将来)、近未来(大学生活)、現在、過去(高校1年生〜現在にかけて)で分けて考えるとよいでしょう。
「将来の夢から逆算し(遠未来)、そのために大学生活ではどのような活動をするのか(近未来)。そのための準備として現在どんな活動をしているのか(現在)、そのきっかけとなった原体験(過去)」のように文章に一貫性を持たせることで、あなたの考えや、大学に行く目的を試験官にわかりやすく伝えることができます。
③入学後の姿が具体的に決まっている
あなたの強みを記載するだけでなく、あなたが大学で活躍している姿をリアルに想像できる文章を記載することが大切です。
つまり、あなた自身が志望する大学でどのような大学生活を送るのかをリアルに想像できる状態である必要があります。
オープンキャンパスなどで掴んだ大学生活像をより明確にし、書き始められるとよいでしょう。
たとえば下記のように学年で成し遂げることを分けて記載するのが効果的です。
「1年次には〇〇に注力し、〇〇のような成果を上げる。そして2年次以降は1年次の〇〇の経験をもとに〇〇へ取り組み、〇〇を成し遂げたいと考える」のようにあなたが大学で学んでいる様子をリアルに想像できるような文章を書くことで周りと大きな差別化を図ることができます。
自己推薦書の書き出しや締め方(終わり方)はどうすればいい?
自己推薦書を書く際に多くの受験生がつまずくポイントとして挙げられるのが、書き出しと締め方(終わり方)です。
文章の書き出しや締め方で困っている人の多くは、文章を書き始める前(準備段階)に問題があります。いきなり文章作成に取り掛かっている人は、書いているうちに内容のボリュームが多くなり、はじめと終わりが一致しなくなってしまい、「どうやってまとめよう…」となってしまっているケースがほとんどです。
最初に文章のアウトライン(構成表)を作成し、それに則って記載することで書き出しや締めに躓くことが減るでしょう。
また下記にはアウトラインを作成したうえで困っている方に向けた書き出しと締めの例文を用意しました。ぜひご活用ください。
ただこちらの例は多くの受験生が使う表現でもありますので、周りとの差別化にはなり得ません。構造を参考にした上で内容で勝負をしましょう。
〈書き出し〉
・私は高校時代に〇〇という力を身に付けた。
・高校時代〇〇を務めた経験は私にとって大きな学びを得られた経験になった。
〈締め〉
・上記の観点から貴学貴学部での〇〇という活動に貢献したい。
・将来は持ち前の〇〇力と貴学での〇〇の学びを活かし夢を実現したい。
自己推薦書の例文(1000文字程度の例文)
法学部に入学を志望する受験生を例に記載した自己推薦書です。
上記で記載した注意点やポイントを抑え、具体的な大学生活を記載しています。
ぜひ参考にしてください。
※受験生の自己推薦書の例として記載しています。下記の文章を、そのまま記載し提出することや、少し変えた程度で提出することなどの使い方は厳禁です。この例文をこのまま利用した場合、全く同じ経験がない方では合格できないからです。あくまで構成や構造を参考にするためにご利用ください。
—–下記より例文—–
高校時代にクラスの学級委員長として文化祭実行委員長を務め、多様な意見を持つクラスメイトをまとめ上げ、成功に導いた経験によりリーダーシップ力と、コミュニケーション力を身に付けた。特に印象に残っているのは、企画段階での意見対立を、話し合いを重ねることで解決し、全員が満足できるような文化祭を実現できたことである。この経験から、目標達成には、周囲とのコミュニケーションと協力が不可欠であり、リーダーシップの重要性を痛感した。
大学では、培ってきたリーダーシップを活かし、より大きな目標である「安全で安心して暮らせる社会の実現(アドミッションポリシーに沿った内容で記載)」に貢献したいと考えている。特に興味を持っているのは、犯罪心理学である。中学生の頃、ニュースで少年による事件を目にしたことがきっかけとなり、なぜこのような事件が起こるのか、その背景にある心理的な要因や社会的な要因に興味を持った。犯罪心理学を学ぶことで、犯罪のメカニズムを深く理解し、犯罪の予防や再犯防止に繋がるような政策提言を行いたいと考えている。
1年次には、法学の知識を活かし、地域のボランティア活動に積極的に参加したいと考えている。具体的には、少年院でボランティアを行い、非行少年と直接触れ合うことで、彼らの心の声に耳を傾けたい。また、地域住民の方々と共に防犯パトロールを実施し、地域社会の安全に貢献したいと考えている。これらの活動を通じて、犯罪被害者の心情を理解し、社会全体で犯罪を予防するための取り組みの重要性を学びたい。
2年次以降は、ゼミに所属し、少年犯罪の増加とその背景に関する研究を深めたいと考えている。特に、家庭環境が少年犯罪に与える影響について、統計データの分析や事例研究を通じて実証的に明らかにしたい。例えば、非行少年の家庭環境を調査し、虐待やネグレクトとの関連性について分析することで、少年犯罪の原因解明の一端を担いたいと考えている。研究成果は、論文にまとめ、地域の小中学校で講演会を開催し、子どもたちや保護者の方々に研究成果を還元することで、社会全体の意識改革に貢献したい。
大学での学びを通して、犯罪心理学の専門知識を深めるとともに、リーダーシップ能力、コミュニケーション能力、そして問題解決能力をさらに高めていきたい。そして、将来は、法律の専門家として、犯罪の予防や被害者の支援に携わり、より安全で安心して暮らせる社会の実現に貢献したいと考えている。
—–例文終わり—–
総合型選抜で難関大学の合格を勝ち取った高校生の自己推薦書
私立最難関大学に合格した高校生が書いた自己推薦書です。
この文章には大学入学後のビジョンや決意の記載はありません。そのため、文章構成の前半部分にあたる、
①自身のアピールポイント(強み)、②アピールポイントを裏付ける、経験エピソード、で参考になる高校生の自己推薦書例文だとお考え下さい。
※受験生の自己推薦書の例として記載しています。下記の文章を、そのまま記載し提出することや、少し変えた程度で提出することなどの使い方は厳禁です。この例文をこのまま利用した場合、全く同じ経験がない方では合格できないからです。あくまで構成や表現方法を参考にするためにご利用ください。
—–下記より例文—–
私は探究活動として「はたらく部」での活動に力を入れてきた。はたらく部とは、NTTドコモが運営する、ビジネスやキャリアについて学ぶ中高生向けのオンラインコミュニティである。週一回のセッションを通して、それらの知識を身に着けている。
私は元々消極的な性格であったが、この活動を通して自分に自信を持てるようになった。所属してから1年経った現在では、はたらく部の魅力を広めるために公式インスタグラムを運営したり、著名人をお招きして50名程度集まるイベントを何度も企画運営したりする等、運営の支援を行っている。
所属する前は学校を越境することに不安を感じていたが、はたらく部の仲間との関わりが刺激になり、以前より積極的に発言できるようになったり自己肯定感が向上し自分を変えることができたため、挑戦することの大切さを学んだ。
また、虎ノ門の起業家コミュニティの著名実業家の前でプレゼンをすることや起業プロセスを学ぶ合宿、社会人1,000人の前で夢を宣言するイベントなど様々な場に赴き、多様な人生を歩んできた人々と出会い、対話をすることで、変化し続ける社会で自分で考えて自分で行動する力が身についた。
この経験から得られた挑戦し続ける力は私の誇れる強みとなっており、現在私は高齢者の孤独解消と高校生の探究活動を始めるきっかけを作ることを目指す「東京レモンプロジェクト」を立ち上げ、活動している。
—–例文終わり—–
最後に
さて、ここまでは自己推薦書を通してあなたが周りと差をつけるための「テクニック」について記載しました。しかし何よりも重要で、一番の合格への近道となることは、「何度も何度も書き直すこと」です。なんとも力技で、遠回りに思えますが、合格を勝ち取っている人は必ず行っています。
よく「質より量」という言葉をスポーツの世界などで耳にします。おそらくこの言葉は「質にこだわらずとにかく量をこなせ」という意味ではなく、「量をやらないことには質は上がらないよ」という意味なのではないかと私は考えます。
ぜひこれを読んでくれたあなたが誰よりも強い気持ちを持って、「これ以上やれることはない。」と思えるまで、やりきって受験を終えてくれることを願っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。自己推薦書について何か得ることはできたでしょうか。これを読んでくれたあなたの合格への手助けが少しでもできていたら嬉しく思います。
がんばれ、受験生
石原 成
「学生とイケてる社会人が当たり前に出会える世界の実現」を理念に教育×ビジネスの現場にて経験多数。主に御殿場西高等学校経営企画室インターンや、はたらく部インターンにてビジネス経験を積んできた。また現在では教育方法を学ぶためNexTeachersにてコーチングスキルを活かした家庭教師の活動をしている。