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総合型選抜(旧AO入試)とは?仕組みや特徴、メリット・デメリットを徹底解説
目次
大学入試の受験制度のひとつである総合型選抜。大学受験を控えている方の中には、総合型選抜の利用を考えている方もいるのではないでしょうか。本記事では、推薦入試とよく比較される総合型選抜の概要やメリット・デメリットについて解説します。また、総合型選抜が向いている人とそうでない人の特徴についても解説しています。これから入試を控えている方やその保護者の方はぜひ最後までお読みください。
総合型選抜(旧AO入試)とは
AO入試とも呼ばれている総合型選抜は、大学側が欲している人材をあらかじめ確保することを目的に導入された入試制度です。AOという言葉は「アドミッションズ・オフィス入試」の略語で、もともとはアメリカで導入されていました。文部科学省が発表した「国公私立大学入学者選抜実施状況」によると、2020年には私立大学は約86%、国立大学は約72%が総合型選抜を入試制度に導入しています。
総合型選抜と推薦型選抜の違い3つ
総合型選抜と似た入試制度に、推薦型選抜があります。ここからは、総合型選抜と推薦型選抜の違いについて説明します。両者の違いは大きく分けて下記の3点です。
1.学力を重視されない
総合型選抜と推薦型選抜の大きな違いのひとつが、学歴の重要度です。推薦型選抜の代表例である指定校推薦の場合、希望する学校が求める水準の学力が必要になります。そして、その水準を満たす学力がある人の中から、学校側の推薦によって選ばれます。
一方で総合型選抜は、学力よりも、論文や面接を通して、希望する大学が求める人材にマッチしているかどうかといった、観点から総合的に判断されます。また、学校側からの推薦ではなく自ら出願が可能です。
2.選考期間
総合型選抜と推薦型選抜では、選考期間も異なります。推薦型選抜の場合、10月〜11月にかけて出願を開始し、試験の合否が発表されるのは12月ごろです。対して総合型選抜は、早い大学だと、6月頃から出願がスタートします。大学によっては、8月頃に行われるオープンキャンパスの時期に合わせて出願をスタートさせる大学もあります。出願が早い分合格発表も早く、10月〜年末にかけて発表されることがほとんどです。
3.選考方法
選考方法にも違いがあります。推薦型選抜では、高校側が用意した出願書に沿って推薦者の選考が行われるほか、面接も高校側で実施されます。大きな特徴として、高校側が用意した指定校推薦の枠を得られれば、大学合格には限りなく近づくといって良いでしょう。
一方で、総合型選抜は、希望した大学が求める出願要項に当てはまっていれば、誰でも出願できます。学校のお墨付きがある推薦型とはことなり、面接、論文、学科試験と選考方法が多岐にわたります。
総合型選抜と一般入試との3つの違い
続いて、総合型選抜と一般入試の違いについて説明します。一般入試との違いは、大きく分けて3点あります。
1.出願ルール
総合型選抜と一般入試では、出願ルールが異なります。一般入試は自分が進学したい大学を複数選べますが、総合型選抜はひとつの大学に絞って出願することしかできません。さらに、専願を出して合格をもらった場合、なにか特別な事情がない限りはその大学に進学しなければなりません。進学する大学が定まっていない場合、専願しかできないのは大きなデメリットになります。
2.学力試験の有無
学力試験の有無も大きな違いです。一般入試の場合、学力試験を受けさせて、得点が高い順に合格者を選んでいきます。それに対し、総合型選抜は、学力試験ではなく論文を提出したり、面接をしたりとさまざまな試験方法を経て合格者が決まります。
3.試験の日程
総合型選抜と一般入試では試験日程も異なります。一般入試の試験期間は、通常だと共通テストが終わった後から、翌年の3月頃までです。一方総合型選抜の場合、6月ごろに出願を提出し、10月頃から年明けにかけて合否の発表があります。
もしも総合型選抜で不合格になってしまったとしても、一般入試で再チャレンジできるのが魅力です。
総合型選抜のメリット3つ
続いて、総合型選抜にて入試を受けるメリットについて説明します。主なメリットは3つあります。
メリット1.学歴以外の面も総合的に評価してくれる
総合型選抜のもっとも大きなメリットのひとつが、学力以外にも、面接や論文提出など、さまざまな能力やスキル、人間性を総合的に評価してくれる点です。海外留学をしていたり、会社でインターン活動をしていたりなど、これまで行ってきた課外活動をアピールすることで、合格をもらえる可能性が高まります。希望する大学が求める学力に足りていなかったとしても、合格をもらうことも可能です。
メリット2.倍率が低い
総合型選抜は推薦入試や一般入試に比べて、倍率が低いのが嬉しいポイントです。有名な大学や人気の学科など、倍率が高くて合格する自信がないときには、総合型選抜でチャレンジしてみるのをおすすめします。
メリット3.失敗したとしても一般入試で再挑戦できる
総合型選抜の選考日程は一般入試の選考期間よりも早いタイミングのため、もし総合型選抜で不合格となっても、一般入試で再挑戦できるのも大きな魅力です。どうしても入りたい大学がある場合には、総合型選抜と一般入試の2回チャレンジできるため、ぜひ積極的にチャレンジしてみることをおすすめします。
総合型選抜のデメリット
総合型選抜のメリットがあれば、当然ながらデメリットもあります。総合型選抜の主なデメリットは3点あります。
デメリット1.専願しかできない
総合型選抜の大きなデメリットは、専願しかできない点です。総合型選抜に出願して、合格をもらったら基本的にはその大学に進学しなければなりません。そのため、自分がどの大学に進学するか迷っている場合には、総合型選抜の受験はおすすめしません。
デメリット2.合格基準がバラバラ
総合型選抜は、受験する大学によって合格基準がバラバラです。一般入試の場合は学力試験において上位から順番に合格していくという明確な基準があります。一方、総合型選抜は明確な選考基準が明示されていません。総合型選抜は論文、面接などを通して、さまざまな観点から合否を判断するため、希望する大学に応じて対策が必要となります。
デメリット3.入学後に学力ギャップを感じる場合もある
総合型選抜を利用して大学進学した場合、入学後に周りと比べて学力ギャップを感じる場合があります。当然ですが、総合型選抜は学力以外の部分での評価が大きいため、一般入試で合格を勝ち取ってきた人と比べて学力が劣っている場合があります。そのため、大学の同じ講義を受けていても、人によって理解度に差が生じる可能性があります。入学後に周りと比べて学力ギャップを感じないためにも、入学前に自主的に勉強しておくことをおすすめします。
総合型選抜に向いている人と向いていない人
ここからは、総合型選抜に向いている人と向いていない人の特徴について解説します。
総合型選抜に向いている人
総合型選抜は学力以外にも、これまでに頑張ってきた活動や経験、実績や人柄などを総合的に考慮して合否を判定されます。そのため、これまで勉強以外にもさまざまな課外活動を精力的にやってきた方は、総合型選抜にチャレンジしてみましょう。また、希望する大学先で、絶対に学びたいことや明確にやりたいことがある場合には、総合型選抜はおすすめです。
総合型選抜に向いていない人
明確にやりたいことが見つかっていなかったり、入学したい大学が定まっていなかったりする人は総合型選抜には向きません。総合型選抜では、合格をもらった場合には、必ずその大学に入学しなければならないからです。
また、学歴以外でアピールできる要素が少なく、高校在学中に自主的な課外活動をあまりしてこなかった人は、総合型選抜でのアピールポイントが足りないことに苦労するかもしれません。
総合型選抜について理解して、自分にあった受験方法を選ぼう
総合型選抜の他の入試方法との違いやメリットやデメリットについて説明しました。総合型入試は他の入試と比べて受験時期が早く、学歴以外の部分が合否に大きく影響します。また総合型選抜で合格をもらった場合、その大学に進学しなければならないため、行きたい大学が定まっていない人は一般入試がおすすめです。
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