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高卒でも起業できる?日本の起業成功率と失敗する人・成功する人の特徴
目次
一般的に起業の成功率には、高卒も大卒も関係ないといわれています。日本には高卒の起業家もたくさんいます。本記事では起業の成功率に関するデータを参考に、事業を成功に導くためのポイントを解説します。失敗しやすい人と成功しやすい人の特徴もそれぞれ紹介します。起業の方向性について見直したり、自分の強みを探したりする指標になるはずです。
データから読み解く「高卒で起業した場合の成功率」
「高卒で起業した場合の成功率」についてのデータはありませんが、開業・廃業の状況は国が調査し公表しています。
結論、起業に学歴は関係ありません。就職なら大卒者が有利とされていますが、誰にも雇われない起業なら、高卒が選考の不利になるということはないでしょう。
高卒で起業した場合の成功率は気になりますが、個人の努力や環境、運なども関係してくるのが起業の成功有無です。まずが、産業別の廃業率や起業後の存続率をみてみましょう。
データを参考に、起業の成功率を高めるための方法を探っていきます。
起業後の年数ごとの存続率
起業後の会社の存続率は、設立から3年で60%ほど、10年で6%ほどといわれています。過半数の会社が、起業から3年以内に廃業していることになります。
まずは存続しなければ成功もない、と考えると、3年を目安とした際に「起業の成功率は低い」ということを踏まえ、どんな事業を起こすか、起業するのかどうかを慎重に考えましょう。
日本の開業率・廃業率の推移
出典:中小企業庁:2021年版「小規模企業白書」 第3節 開廃業の状況
こちらのグラフは日本の開業率と廃業率の推移を示しています。所々増減はあるものの、全体として開業率は右肩下がり、廃業率は一定であるといえるでしょう。
注目すべきは2015頃から開業率が急激に高まっているのに対し、廃業率はほぼ変わっていない点です。この時期は開業時の平均従業員数が減っている時期でもあり、スモールスタートできる事業やフリーランスでの開業が多かったと推測されます。
産業別の開業率・廃業率
出典:中小企業庁:2021年版「小規模企業白書」 第3節 開廃業の状況
こちらのグラフは2021年の開業率と廃業率について、産業別にまとめたものです。特に「小売業」は開業率に対して廃業率が高く、「医療、福祉」は開業率に対して廃業率が低いです。
小売業に関しては、コロナ禍の影響で実店舗への客足が遠のいたことが大きく関係していると考えられます。コロナ禍をきっかけにネットショップの利用者・利用頻度ともに増加したこともあり、今後は小売業のあり方が少しずつ変わってくるかもしれません。
このように産業別の開業・廃業率をチェックすること、データをもとに各業種について考えてみることは、起業する業種選びの参考になります。起業の成功率を高めることにもつながるでしょう。
高卒で起業して成功した社長はどのくらいいる?
高卒であることで起業が不利になることはまずありません。事実、高卒で起業して成功した社長はたくさんいます。
たとえば株式会社ZOZOの前澤友作氏や合同会社DMM.comの亀山敬司氏などが、高卒の社長のなかでは有名でしょう。
パナソニック(旧松下電器産業)の創業者であり経営の神様とも呼ばれる松下幸之助氏など名立たる成功者を見ても、起業の成功率に学歴は関係がないとわかるでしょう。
失敗する高卒起業家の特徴
起業の成功率に高卒も大卒も関係ありません。しかし、失敗する起業家には共通する特徴があります。もし、将来起業したいと考えているのであれば、意識をして改善してみてください。
慎重すぎる
慎重であることは起業のリスクを抑えるために大切なことです。しかし、慎重すぎることで起業の成功率が下がってしまうこともあります。
ビジネスには、スピードや行動力(行動量)がものを言う場面もあります。慎重すぎると判断が遅れてチャンスを逃したり、リスクを恐れてチャレンジができなくなることもあるでしょう。これでは、その先の成功もありません。
もちろん、リスクについて考えることも大切です。新しいことをはじめるときやチャンスが来たときは、判断のために必要なデータを手早く集め、慎重かつスピーディーに決断を下しましょう。
調査が足りていない
市場や競合に対する調査が足りていないことも、起業の成功率を下げる一因です。調査が足りないとターゲットのニーズを見誤ったり、競合の二番煎じになってしまったりしかねません。
ターゲットのニーズではなくインサイト(自分自身でも気付いていない本当の欲求)を探すこと、自分の強みを活かして競合との差別化を図ることなどが、起業の成功率を高めます。
資金に対する認識が甘い
資金に対する認識が甘いと、道半ばで資金不足になり、事業を続けられなくなるかもしれません。従業員への給与や商品の仕入れ費用、広告宣伝費など、事業を続けるにはさまざまな費用がかかります。
補助金や助成金を頼りにしすぎるのも良くありません。これらの支援制度はぜひ活用すべきですが、要件を満たしていても受給できるとは限りません。受給が決まっても、資金は原則として後払いのため、ひとまずは自己資金での支払いが必要になります。
事業の見通しを立てるためにも、いざというとき融資や助成を受けるためにも、事業計画書をきちんと作成しておきましょう。
仲間内で起業した
成功率を高めたいなら、仲間内で起業するのは避けましょう。仲間内で起業すれば楽しいかもしれませんが、遊びの延長のような空気感が抜けないかもしれません。これではいざと言うときの踏ん張りがききません。
仲間内でなくとも、複数人での起業は避けた方がいいでしょう。意思決定者が何人もいると対立が起こりやすくなり、コミュニケーションコストも高くなります。
起業の成功率を高めるためには、判断をスピーディに下せなければなりません。少なくとも起業当初は、自分一人で物事を決められるようにしておきましょう。
成功者の真似ばかりしていた
「成功したいなら、成功者の真似をしろ」という意見があります。成功者に学ぶことはたしかに大切ですが、真似ばかりではいけません。
その成功者が起業した時と現在は環境が変わっていて、かつて上手くいったやり方が今も通用するとは限りません。
成功者が語らない、あるいは本人も気付いていない要素が成功の要因だったということもあります。
成功者のやり方や考え方を参考にするのは大切ですが、自分の頭で考えること、自分の強みを活かすことを忘れてはいけません。
成功する高卒起業家の特徴
失敗する起業家と同じように、成功する起業家にも一定のパターンがあります。成功者の5つの特徴から、高卒起業家として成功するためのポイントを紹介します。
自分にとって価値ある分野で起業する
起業の成功率を高めたいなら、自分にとって価値ある事業を起こしましょう。自分がやっていて楽しいことをビジネスにしたり、自分にとって身近な人たちの課題を解決するような事業を考えたりすることが大切です。
自分にとって価値ある分野で起業した方が、事業に対する熱意は高くなります。熱意は新しいアイデアを考えたり、事業拡大のための行動を起こしたりするための原動力です。
何より、事業に対する熱い気持ちは表情や態度に表れ、周囲の信頼や「この人を応援したい」という気持ちを集めてくれるでしょう。
とにかく行動を起こし続ける
起業の成功率を高めるためには、とにかく行動を起こし続けましょう。その行動が成功につながるか失敗につながるかはわかりませんが、行動を起こさなければ成功率はゼロのままです。
常に謙虚に、学ぶ姿勢をもち続ける
起業の成功率を高めるためには、周囲の協力や応援、事業や市場に対する理解と知識が欠かせません。これらを得るために、常に謙虚な姿勢で学び続けましょう。
このような姿勢の人は周囲からの応援を得やすいです。取引先や先輩起業家がアドバイスしてくれることも多いです。
その業界でビジネスを続けてきた人の話には、本やインターネットには載っていない情報もあるでしょう。
根拠のない自信をもち続ける
先述の「常に謙虚に、学ぶ姿勢をもち続けること」と矛盾すると感じるかもしれませんが、自信をもち続けることも大切です。自分なら成功できるという信念が、挫折や苦境から立ち上がるための原動力になります。
自信をもてるようなことが何もないなら、根拠のない自信をもちましょう。「とにかく自分ならできるんだ」と信じ続けるのです。
資金的にもメンバー的にもスモールスタートする
起業の成功率はそもそも低く、3年以内に過半数の企業が廃業しているのが現実です。裏を返せば、とにかく事業を続けてさえいれば、ライバルたちは勝手に撤退していくともいえます。
事業を長く続けるために、資金的にもメンバー的にもスモールスタートするのがおすすめです。
はじめから多額の融資を受けてしまうと、その返済で経営が圧迫されてしまうかもしれません。従業員が多いほど人件費はかさみ、創業メンバーが多いほど意思決定に時間がかかるようになります。
もちろん、事業の内容によってははじめから資金や人手が必要になることもあるでしょう。リスクを恐れず資金を投下することで掴めるチャンスもあります。
しかし、まだ世の中にないビジネスを起こすのでもない限り、既存の競合会社に資金力で勝つのは難しいでしょう。細く長く続けることで見えてくるチャンスもあります。
高卒でもまずは3年、事業を存続させることを目指してみよう
状況や事業の内容にもよりますが、起業の成功率を高めるためにはスモールスタートを意識することが大切です。起業の成功率は高卒・大卒にかかわらず低く、設立から3年以内に廃業する会社は全体の半分以上にものぼります。
まずは3年、事業を存続することを目指してみましょう。「とにかく3年生き残るんだ」という意識があれば、はじめから多額の投資をしたり、キラキラした成功者像に惑わされて判断を誤ったりすることもないでしょう。
はたらく部LOG編集部
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