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卒業後の進路は決まってる?高校・大学の卒業後の進路選択
目次
卒業後の進路について、本格的に悩みだすのは高校生か大学生くらいでしょうか。早い人は中学生の頃に進路で悩む人もいるかもしれません。中学生の頃は、例えば普通科や総合学科といった選択肢を広く持てる進学先を選ぶことで、考える時間を得ることもできます。しかし、高校や大学の卒業後の進路は、将来に大きな影響を与えます。今回は、そんな高校や大学の卒業後の進路について一緒に考えてみましょう。
卒業後の進路状況
高校生や大学生が卒業後にどんな進路を選択しているのか、文部科学省が毎年実施している「学校基本調査」令和4年度の資料を参考にみていきます。
高校生の卒業後の進路状況
最初に高校生の卒業後の進路状況をみていきます。
(引用:令和4年学校基本調査確報報道発表資料 (mext.go.jp)P5)
高校卒業後、大学や専門学校などへの進学です。
グラフからは18歳人口と反比例して進学者が増えていることがわかります。就職のために進学をする人も多いですが、より多くのことを学び、将来の可能性を広げたいと考える人もまた増えているのでしょう。
大学生の卒業後の進路状況
次に、大学生の卒業後の進路を見ていきましょう。
(引用:令和4年学校基本調査確報報道発表資料 (mext.go.jp)P6)
大学卒業後の進路は、大きく分けて大学院等への進学と就職です。進学者は昭和60年から3倍ほどに増えていることから、将来やりたいことが明確な人、そのために学びを深めたいと考えている人が増えているのだと考えられるでしょう。
卒業後の進路の選択肢
高校卒業後の進路では「進学者」が、大学卒業後の進路では「就職者」がそれぞれ最も多い割合を占めていることがわかりました。次に、それぞれの卒業後の進路の選択肢についてもう少し詳しく見ていきましょう。
【高校】卒業後の、進学する場合の進路の選択肢
高校卒業後の進路で最も多かったのは進学でした。株式会社日本ドリコムが公開している資料を参考に、進学する場合の進路をみてみましょう。
(引用:高校卒業後の進路パターン図解|進路ってなに?|e-shinro)
高校卒業後の進路は、進学の場合大きく大学・短期大学・専門学校に分かれます。大学進学者と専門学校進学者の進路は4つ、短期大学進学者の進路は3つの主な選択肢に分岐します。
イレギュラーとして、「併修」という制度があります。「併修」は、専門学校に通いながら大学や短期大学に籍を置ける制度です。専門学校独自の授業だけでは取得できない資格や学士・短期大学士の学位を取得することもできます。(図の注1)
「編入」は、短期大学や専門学校から、条件を満たすことで大学編入試験を受験できるという制度です。(図の注2)
また、専門学校卒でも、条件を満たし「高度専門士」という称号を取得すると、大学院の受験が可能になります。(図の注3)
1.大学
大学は学術的、論理的な学問を学ぶとともに、幅広い教養を身につけることができる場所です。
学校選びのポイントとしてまずは学部を選択する必要があるでしょう。文部科学省の資料を参考にすると学部は大きく「人文科学」「社会科学」「理学」「工学」「農学」「保健」「商船」「家政」「教育」「芸術」「その他」の11種類に分類されます。
(参考:学校基本調査 (mext.go.jp))
分類をみるだけでも迷いそうですが、さらにここから多くの選択肢がでてきます。夢や目標がある場合には比較的選択もしやすいかもしれませんが、迷った時は1人で悩まずに学校の先生や家族、先輩などに相談すると良いでしょう。
2.短期大学
短期大学は、大学と専門学校の中間のような立ち位置です。大学同様幅広い教養を学びつつ、実践的な授業を通して仕事や実際の生活に役立つ能力を身につけることができます。四年制大学よりも期間が短いため、在学中は勉強や就職活動に追われがちです。しかし、学費の負担が少なく早めに社会に出られるというメリットがあります。
専門学校同様、就職を前提とした授業が多くなることから、ある程度将来の方向性が決まっていないと学校選びに苦労する可能性があります。
短期大学は学部ではなく学科で、大きく「人文」「社会」「教養」「工業」「農業」「保健」「家政」「教育」「芸術」「その他」の10種類に分類されます。
(参考:学校基本調査 (mext.go.jp))
3.専門学校
専門学校は、将来の夢や目標が明確な人におすすめしたい進路です。専門学校で学ぶ技術や知識は、職業で活かすことを前提にしているため、専門性が高く実践的なものが多くなります。
学校選びのポイントはずばり「情報収集」で、カリキュラムや取得できる資格のほか、学費や卒業生の就職率など学校の詳細な情報を確認するようにしてください。
【大学】卒業後の進路の選択肢
大学卒業後の進路で最も多かったのは就職でした。就職を含め大学卒業後の進路にはどのようなものがあるか5つご紹介します。
1.民間企業に就職
大学卒業後の進路としては民間企業への就職者が最も多いです。少子高齢化が大きな課題となっている現代では、若手の人材確保は企業側にとっても大きな課題です。そのため、新卒は最も就職しやすいタイミングといえるでしょう。
新卒の一括採用というのは日本の一般的な就職スタイルで、採用コストを抑えつつ、会社の将来を担うような人材を長期的に育てるという狙いもあります。そのため、スキルや経験はもちろんですが、それ以上に応募者の人間性や伸びしろが評価対象になります。
2.公務員
国家公務員や地方公務員として就職する人もいます。公務員は、民間企業と比べると雇用が安定しているため、長く働けるというのが大きなメリットとされています。
新卒で公務員を目指す場合は、公務員試験を受ける必要があります。
国家公務員の総合職を目指す場合は、4年生の4月に1次試験、5月に2次試験があります。一般職の場合は、6月半ばに1次試験、7月半ばに2次試験があるのが一般的です。
地方公務員の上・中級の1次試験は4月からスタートして、6月から2次試験が始まります。初級は6月から1次試験が始まります。
国家公務員、地方公務員ともに職種や自治体によって試験のスケジュールが異なる場合があるので、早めに確認するようにしましょう。
また、民間企業との併願を考えている人は「気が付いたら試験日が過ぎていた」ということがないよう、スケジュール管理をしっかりと行ってください。
3.起業・家業を継ぐ
割合は多くないですが、人によっては在学中から準備を進めて起業をしたり、実家の家業を継ぐ人もいます。
起業をする人の背景には、SNSの普及や発展が関係していると考えられます。「個人の影響力や発信力が高まったこと」「ITやWeb関連の領域など比較的低コストでも始められるビジネスが増えたこと」など、学業と両立しながら起業に挑戦できる時代です。
4.フリーランス
起業以外の独立の道として、フリーランスという選択肢もあります。近年では新型コロナウイルスの影響や働き方の多様化でフリーランスとして仕事をする人は増加傾向です。
また、企業側も人材不足解消や働き方改革の一環として、社員を抱えずフリーランスに業務を発注することで、企業運営をするケースも増えてきています。
ただ、フリーランスは営業や事務作業などの業務をすべて自分でこなさなければなりません。
フリーランスとして十分に活躍できるほどのスキルを在学中に身につけたとしても、一度就職し、その業界や仕事の進め方について学ぶことをおすすめします。業界について深く理解し、人脈をつくってから独立しても遅くないはずです。
5.進学や夢を追いかける
大学卒業後に「より専門的な知識を身につけたい」「資格を取得したい」という場合には、大学院や専門学校への進学も1つの選択肢です。
将来の明確な目標やビジョンがある場合には、有効な選択肢とも言えます。ただし「学費がかかる」「その後の進路変更(研究分野や就職先)が難しく(不利に)なる」などリスクがあることも忘れないようにしましょう。
また、音楽やアート、NPOでのボランティア活動など「夢を追いかけたい」「挑戦したいことがある」という人もいるでしょう。一度就職すると、想像以上にまとまった時間の確保は難しくなります。どうしても叶えたい夢や実現したいことがある場合は、挑戦することも人生における大切な進路選択ではないでしょうか。
まずは行動してみるのも選択肢
高校と大学の卒業後の進路についてお話してきました。今はインターネットでさまざまな情報を簡単に取得できる時代です。とても便利ですが、それはあくまで誰かの目線でつくられたものであることを忘れないでください。
ある程度情報が収集できたり、逆に迷いすぎて道を見失いそうになったりした時ほど「実際に行動してみる」という選択肢があります。
オープンキャンパスや体験入学、職場体験を通じて、実際に自分の目で見て、体験してみるのも良いでしょう。
自分の感覚や気持ち、考えを大切に、後悔のない進路選択ができるよう応援しています。
はたらく部LOG編集部
はたらく部LOG編集部は、中高生のみなさまやその保護者の方々に役立つ情報を発信していきます。