ブログBlog
総合型選抜(AO推薦入試)の対策はいつから何する?学年別やるべきことを解説!
目次
総合型選抜での受験対策について
総合型選抜での受験を考えてはいるけど、いまいち対策方法が分からないという方は多いのではないでしょうか。また、もう受験生なのに総合型選抜対策を今から始めても大丈夫か不安な方など、様々な悩みを抱えている方がいらっしゃるかと思います。
総合型選抜で合格するためには、自分の強みが何かを見つけ出し、早めに準備することが大切です。
今回は、総合型選抜・ao入試の基本的な対策方法や、対策を始める時期について解説していきます!
この記事を読めば、あなたの状況に合った対策方法が分かり、受験に向けて準備を進めることができるでしょう。私は高校3年生の春から総合型選抜の受験を考え始め、一般受験と総合型選抜対策の両立をして、最終的には総合型選抜で慶應義塾大学文学部に現役で合格しました。この記事では、そんな経験を持つ筆者のノウハウを詰め込みました。「高校生時代の私が早く知りたかった対策」を書いていますので、総合型選抜の対策をしたいと考える方はぜひ参考にしてください!
この記事を書いている人
慶應義塾大学 文学部1年 新久さくら
高校2年生から本格的に課外活動に力を入れ始めましたが、高校3年生になるギリギリまで一般受験を考えていました。しかし、課外活動を受験にも活かしたいと思い、高校3年生の春から一般受験対策と平行して総合型選抜対策も始めました。基本的には一般受験専門の塾に通い、総合型選抜の対策ははたらく部のサービスを利用し、最終的には総合型選抜(自己推薦入試)で慶應義塾大学文学部に合格しています。
総合型選抜対策はいつごろから始めるべき?
そもそも総合型選抜対策はいつごろから始めるべきなのでしょうか。私のおすすめとしては、ずばり「高校2年生の夏から」です。その理由は、総合型選抜は一般受験より出願が早いからです。
そもそも総合型選抜はいつごろ行われるのかはご存知でしょうか?
私立の場合、総合型選抜の出願の多くは9月〜10月頃に行われ、選考が10〜11月頃、合格発表が10月〜12月頃に行われます。
国立の場合だと、私立よりも全体的に1〜2か月遅く行われる場合が多いです。
年内に進路が決まることが多いですが、大学によって時期が変わりますので、気になる大学の選考時期は一度調べておきましょう。
なるべく早めに対策をしよう!
「総合型選抜は、勉強メインではないし、直前に対策を始めれば受かる…」なんて思っていませんか?
実は、しっかり対策をしないとあっさり落とされてしまいます!
例えば、多くの大学は総合型選抜を受けるにあたって志望理由書または自己推薦書の提出を出願条件にしていますが、大学が求める人物像に合った志望理由書を書くことが案外難しく、完成までに数か月かかります…!
実際私も10回ほど志望理由書を書き直しました…。
さらに、志望理由書だけでなく小論文や面接の対策も重なってくるため、できるときから早めに対策を始めるのがおすすめです!志望理由書や面接、小論文の対策は高校3年生からでも大丈夫ですが、活動実績を作ったり、資格を取得したりするのは時間がかかります。これらに早めに取り掛かっておくことで、スムーズに志望理由書や提出資料制作に移ることができます。
私は高校2年生の間にたくさん活動実績をつくったため、高校3年の春から志望理由書の準備を始めることができました。
総合型選抜の基本的な対策
大学によって出願条件や提出書類は違いますが、総合型選抜の対策を始める第一歩として、基本的な対策について解説します!
①自分の興味を見つけよう
総合型選抜で重視されるのは、「何を目標に、どんなことをやってきて、大学では何を学びたいか」です。
そのため、ただ実績をつくるためにボランティア活動などをするのではなく、自分が興味のある活動に深く関わり活動していくことが重要です。
まずは自分の興味分野を見つけるために、少しでもやってみたいと思ったことはやってみたり、逆に全然興味のない分野のイベントに参加してみたりすると、自分の興味が少しずつ見えてきますよ!
私もデザインにしか興味が湧きませんでしたが、友達に誘われ地域活性化の活動に取り組んでみました。最初は全然関心がありませんでしたが、最終的にはその活動の延長線で自分のプロジェクトを持つようになりました。
まだ受験まで時間がある人は特に、いろいろな活動に触れてみてくださいね。
②活動実績をつくろう
興味分野が分かってきたら、次は実際にその分野にコミットして活動していきましょう!
しかし、ただ量をこなすのではなく、活動の質を高めるように意識しましょう。
質を高めるために考えておくべきことは、「自分は活動を通して何を解決したいのか」です。
言い換えると、課題意識を持つことが大切です。
私の場合、地域活性化の活動として団地で高齢者との交流を行ってきましたが、そこで団地の高齢者の孤独化・孤立化の課題が見えたため、それを解決するためのプロジェクトを立ち上げました。
課題はどんなことでも大丈夫ですが、社会課題解決に関わるような課題だと、より深い活動ができるでしょう。
③志望校のアドミッションポリシーに沿って出願資料をつくろう
アドミッションポリシーとは、簡単に言うと「大学が求める学生像」のことです。
合格を勝ち取るためには、アドミッションポリシーに合った学生であるということをアピールする必要があります。
アドミッションポリシーと聞くと、なんだか堅苦しいですよね。正直私もアドミッションポリシーのことを全然分かっておらず、どこも求める学生像なんて一緒でしょ?なんて思っていました。
しかし、いくつかアドミッションポリシーを読んでみると、求める学生像が結構違うことがわかります。
例えば、同じ慶應義塾大学でも、学部によってこんな違いが見られます。
【文学部】
文学部では次のような資質・能力を有する学生を求めている。
・慶應義塾の精神に対する十分な理解、および学問に対する意欲と向上心
・先人による古典類から最新の研究成果が書かれた論文に至るまでの諸文献を読み込み、理解するための基礎となる語学力(日本語、および英語・フランス語・ドイツ語・中国語)
・与えられた課題に対して論理的に思考し、それに対する自分の考えを正確かつ十分に記述する能力
・現在の社会や文化の成り立ちを理解するための基礎となる歴史的な知識(日本史または世界史)
これらは、文学部が設置しているすべての専攻(哲学、倫理学、美学美術史学、日本史学、東洋史学、西洋史学、民族学考古学、国文学、中国文学、英米文学、独文学、仏文学、図書館・情報学、社会学、心理学、教育学、人間科学)に共通しており、入学後、それぞれの専攻における独自のカリキュラムに従って、専門的な知識や能力を身につけてゆく。したがって、文学部に入学する者は、これらの専攻が対象とするいずれかの学問に対する関心・好奇心を有することもまた必要である。
【総合政策学部】
総合政策学部は「実践知」を理念とし、「問題発見・解決」を重視する学生を求めます。問題を発見・分析し、解決の処方箋を作り実行するプロセスを主体的に体験し、社会で現実問題の解決に活躍することを期待します。したがって、入学試験の重要な判定基準は、基礎学力に裏付けられた、自主的な思考力、発想力、構想力、実行力の有無です。「SFCでこんなことに取り組み学びたい」という問題意識に基づいて、自らの手で未来を拓く力を磨く意欲ある学生を求めます。また、多様な学生を集め、学生同士が互いの強みを活かせるように、一般選抜、AO入試(総合型選抜)、帰国生入試、外国人留学生入試といった多彩な入試を実施し、AO入試については英語による受験も認めています。
3つの方針・学位 | 慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC)
簡単にまとめると、
文学部は、文(ことば)に関わる広い学問の領域に興味があり、またそれを学ぶ意欲と基礎的な知識や記述力を有する人物、
総合政策学部は、自ら学びたいテーマがあり、それを実践的な学びを通して問題を発見し、解決できる人物
を求めていることが分かりますね。
このように、大学や学部によってアドミッションポリシーが大きく変わりますので、自分の志望する大学のものはしっかり調べておきましょう。
大学が求める学生像が分かったら、それに沿って志望理由書や出願書類の作成を始めましょう!
高校1年生の総合型選抜対策
ここからは、学年別の対策について紹介します。
現在の学年や対策状況と照らし合わせて、あなたにあった対策を見つけてみてくださいね。
高校1年生は、自分の興味分野を見つけていく時期です。
まずは様々な活動に触れつつ、少しずつ自分の興味や強みを見つけていきましょう。
色々な活動をしてみよう
あなたは自分の興味がある分野を把握していますか?
まだ高校受験が終わったばっかりなのに、そんなこと分からないよーと思う人もいるかもしれません。
しかし、比較的時間に余裕がある1年生のうちに興味を見つけておくと、とても総合型選抜に有利です!
ほんとに何にも興味がないという方は、興味がない分野でもなにか活動やイベントに参加してみてください。ボランティアなどでも良いですが、ちょっと変わったイベントに参加するのも良いですね。
私が色々な活動に触れ始めたのが高校2年生のときでしたが、そのときに3日間の日帰り合宿で、知らない人とチームを組んで新規事業を考えるというイベントに参加しました。それが、はたらく部との出会いでもありました。
最初は起業やビジネスに興味がなかった私ですが、勇気を絞ってイベントに参加してみた結果、自分の興味の幅を広げることができました。
自分の興味がある分野を見つけよう
色々な活動を通して、「これだったら楽しく活動できる!」という分野を見つけましょう。
合格するために重要なのは、活動の量より質です。
志望理由書や面接では学生時代何をしたのかに加え、そこから何を学んだか、それを通して大学では何を学びたいのかについて聞かれます。その際に、ただ取り組んできた活動を並べるのではなく、具体的な数字や実績を出すことで大学側にも自分の熱意を伝えることができます。
例えば、次の文章だと大学側はどちらの生徒を受からせると思いますか?
1.私は学生時代、サッカー部の部長を務めました。チームをまとめるのは大変でしたが、貴重な経験となりました。また、様々なボランティア活動を行い、学生生活とともに課外活動も充実させました。色々な活動に取り組むことで、価値観や興味の幅を広げることができました。
2.私は学生時代、フィリピンに留学に行きました。そこで、郊外のごみ山や劣悪な生活環境を見て、フィリピンの貧困問題に興味を持ちました。貧困問題の根本を考えたところ、教育環境が整っていないことに気づきました。そのため、フィリピンの子どもたちと全世界の先生をつなぐ仕組みをつくり、今まで500人の子どもに利用してもらいました。
いかがでしょうか。圧倒的に2を選択する人が多いと思います。
大学側が受からせたい志望理由の詳しい特徴は後ほど記述しますが、やはり具体的な実績や数字があるほど、熱意が伝わってきますね!
高校2年生の総合型選抜対策
高校2年生は、受験を見据えながら活動実績をつくっていく時期です。
高校1年生のときは総合型選抜なんて考えていなかった…という人でも、今から対策を始めれば全く問題ありません!
興味分野に合わせた活動をしよう
自分の興味分野が分かっている方は、それに合わせて活動を始めていきましょう。
分かっていない方でも、なんとなく面白そうだと感じた活動には積極的に参加しましょう!
自分が興味を持てる活動が分からず、結局何も活動実績がつくれなかった…というのが一番もったいないです。
(なんて言っているのは、私が高校1年生のとき面倒くさがって課外活動に何も取り組まなかったのを後悔しているからです。できるうちから早めに実績をつくるのを非常におすすめします。)
また、高校2年生になると、受ける大学や学部も考え始めると思います。
そのため、自分が行きたい大学の総合型選抜では何が重視されるのかを意識し、実績をつくっていくことが重要です。例えば、国際系の大学や学部を志望する場合、貧困やSDGsなどの国際問題をテーマに活動したり、英語の資格を取得したりすることが求められることが多いです。
大学を調べ始めよう
高校2年生の夏~秋頃から、志望校を考え始める方が多いのではないでしょうか。
なんとなく、この大学行きたいなあ…くらいの気持ちでも大丈夫ですので、少しずつ大学調べを始めましょう。
集めておくべき情報としては、総合型選抜の出願条件や倍率、併願か専願か、大学の雰囲気などです。
これらを調べておく理由としては、まず大学によって出願条件に「平均評定○○以上」や「英検準1級取得」などがあるからです。
そのため、今足りていない出願条件を早めに確認することで、いざ受けるとなったときに出願できない!というミスを防ぐことができます。
また、総合型選抜は最近話題になってきていることもあり、案外倍率が高い大学・学部があるからです。倍率が高ければ、リスクも考えて他の大学・学部との併願も考える必要が出てきます。加えて、受けたい大学の総合型選抜が併願可能かも確認しておきましょう。
さらに、入学して「思ってたのと違うな…」とならないためにも、大学の雰囲気を知ることはとても大切です。
同じ「文学部」でも、大学によって教育方針は多種多様です。
この時点ではまだ志望理由など考えなくても大丈夫ですので、自分が行きたい大学の情報を集めましょう。
また、自分の偏差値や学習状況もあまり考慮しなくて大丈夫です。
総合型選抜の最大の強みは、出願条件を満たせば偏差値や能力に関係なく受かるチャンスがあることだと思います。今、勉強がちょっと…という方でも、十分逆転合格を狙えますので、ぜひ憧れの大学を目指しましょう!
(実際私も、一般受験では慶應には受からなかっただろうな…という学力でした。)
高校3年生の総合型選抜対策
高校3年生は、志望理由書の作成や面接の準備など、最終的な対策を進めていく時期です。
これまで積んできた活動実績をもとに、自分の魅力をアピールできるよう準備しましょう。
また、筆記試験に向けて小論文の対策も始めましょう。
アドミッションポリシーに合わせて志望理由書を作成しよう
先ほども説明した通り、アドミッションポリシーとは、一言で表すと「大学が求める学生像」のことです。
総合型選抜では、自分が大学が求める学生像に合った人物であるということをアピールする必要があります。
そのため、自身が受ける大学のアドミッションポリシーを調べ、それに合わせて志望理由書を作成しましょう。
例えば、同じ「カンボジアの子どもたちの英語学習支援をした」という実績をアピールするとしても、アドミッションポリシーによってこのように変化させることができるでしょう。
アドミッションポリシーが「積極的に学ぶ意欲のある者」の場合
私は、高校生活でカンボジアの子どもたちの英語学習支援を行いました。カンボジアの子どもたちとオンラインで交流を重ねていくなかで、そもそもどうして私たちが支援をしなければならないくらい貧困に陥ってしまったのか疑問を持ちました。そのため、カンボジアの歴史を調べるとともに、カンボジアの子どもたちにも貧困の現状についてヒアリングしました。
アドミッションポリシーが「実践的な学びを通して課題を解決していく意欲のある者」の場合
私は、高校生活でカンボジアの子どもたちの英語学習支援を行いました。カンボジアの子どもたちとオンラインで交流を重ねていくなかで、現地の言語であるクメール語で英語を翻訳したときに、意味に齟齬が出ていることに問題意識を持ちました。そのため、実際にカンボジアに行って英語支援を直接行うとともに、クメール語の勉強もしました。
小論文や面接の対策をしよう
総合型選抜では志望理由書などの提出書類も大切ですが、小論文や面接など2次試験の対策も必須です。
一概に小論文といっても大学によって出題傾向が違うため、過去問がある場合はそれを何度も解くなどして対策しましょう。
また、面接も自分の思いを分かりやすく伝えるのが思っているより難しいです。本番なにが聞かれても良いように、色々なパターンを想定して練習しましょう。
詳しい対策方法は次でご説明します。
総合型選抜の入試方式に合わせた対策
大学によって、総合型選抜で課される試験が異なります。
自分の受ける大学では何を提出するか、何が試験に課されるかを確認した上で、入試方式に合わせた対策方法を確認してみましょう。
志望理由書・自己推薦書
志望理由書または自己推薦書は、ほとんどの大学で出願に必要な書類です。
それほど、志望理由書は合否に影響が出る重要なものといえるでしょう。
それでは、良い志望理由書と悪い志望理由書の違いはなんでしょうか?
私が慶應に合格したときに出した自己推薦書の一部をお見せしながら、解説していきます。
ずばり、良い志望理由書の特徴はこちらです!
①何をしたのかが【具体的に】示されている
②活動を通してどう自分が変化したか、なにを学んだかが明確
③大学で何を学びたいか、将来どうなりたいかが書かれている
まず①の特徴から見ていきましょう。
志望理由書では、どのような活動をしたのかが具体的に書かれていることが非常に重要です。
なぜなら、具体的な数値や経験を書くことで、自分が活動したことがどれくらいの規模なのかを明確に伝えることができるからです。
私の自己推薦書を見てみましょう。
…また、虎ノ門の起業家コミュニティや著名実業家の前でプレゼンをすること、起業プロセスを学ぶ合宿、社会人1,000人の前で夢を宣言するイベントなど様々な場に赴き、多様な人生を歩んできた人々と出会い、対話をすることで、変化し続ける社会で自分で考えて行動する力が身についた。…
「虎ノ門の起業家コミュニティの前でプレゼンをすること」や「1,000人の前で夢を宣言するイベント」など、ただ「プレゼン」「スピーチ」と書くよりも具体性がより伝わりますよね。
具体性を持たせるのに一番簡単な方法は、数値を書くことです。「そんな1,000人規模の活動なんてやったことないよ…」なんて落ち込む必要はありません。5人でも10人でも、数値を書くことで志望理由書の信憑性や具体性が上がることは間違いないですよね。これを書くことで、他の受験生と差をつけることができるので、ぜひ書いてみてくださいね。
次に、②の特徴を見てみましょう。
どのような活動をしたのかも大切ですが、それ以上に大学が重視するのが「活動を通しての変化」です。
一見すごいと思えるような活動をしたとしても、そこから何も学びが無ければ、活動した意味もありませんよね。
大学側も、「この子は活動を通して、こんな学びやスキルを持っているんだな」というのが分かる方が、安心して採ることができます。
私の自己推薦書では、このように書きました。
私は探究活動として「はたらく部」での活動に力を入れてきた。はたらく部とは、NTTドコモが運営する、ビジネスやキャリアについて学ぶ中高生向けのオンラインコミュニティである。週一回のセッションを通して、それらの知識を身に着けている。
私は元々消極的な性格であったが、この活動を通して自分に自信を持てるようになった。…所属する前は学校を越境することに不安を感じていたが、はたらく部の仲間との関わりが刺激になり、以前より積極的に発言できるようになったり自己肯定感が向上し自分を変えることができたりしたため、挑戦することの大切さを学んだ。…
※2023年11月時点の情報のため、「NTTドコモが運営する」となっておりますが、現在はスピンアウトし株式会社Replayceが運営しています。
ここでは、「もともと消極的な性格であった」が、はたらく部での活動を通して「自分に自信を持てるようになった」「挑戦することの大切さを学んだ」と書いてありますね。
最後に、③の特徴を見てみましょう。
「大学で学びたいこと」も、大学側が重視することの1つでしょう。
なぜなら、「この子が学びたいことがうちの大学で学べるのか」を判断するためです。
大げさに言うと、スポーツをしたいから文学部に入りたいです!なんて言っても、受かるはずないですよね。
そのため、大学で学べることやその大学ならではの特色を調べた上で、学びたいことを書くようにしましょう。
私はこのように書きました。
私は自身が「はたらく部」での探究活動で自己変容できたことを踏まえ、探究活動が学生の自己肯定感に与える効果について研究したいと考えている。
そのため私は貴校で人間科学を専攻し、社会心理学を中心に学びたいと考える。探究活動で私が変わることができたのも、自己肯定感をあげてくれる仲間との協働があったからだという仮説を持っている。社会心理学を勉強することで、探究活動をする集団の中で学生の自己肯定感がどのように変化するのかを研究していきたい。
また1年次は社会心理学に限らず、哲学や教育学等様々な学問に触れることで多角的な面から探究を研究し、2年次からの専攻に備えてどの学問が研究に必要なのかを見極めたい。
貴校での学びや研究を通して、将来私は学生にとって理想の探究の場を法人として立ち上げ、起業家かつキャリア教育コーディネーターとして学生の自己肯定感を高めることのできる探究プログラムを作っていきたい。そして、自分に自信を持つことでそして、教育現場に変化をもたらし、学生がより活発に越境し成長できる社会を実現したい。
学生時代の活動を通して大学では何を学びたいか、何を研究したいのかを明確に書いていますね。
また、「1年次は社会心理学に限らず、哲学や教育学等様々な学問に触れることで…」の部分には、1年生のときに幅広い分野の授業を取れる慶應文学部の特徴も交えながら書いています。その大学ならではの特徴を書くことで、「たくさんの大学・学部があるなかで、なぜうちの大学に来たのか」という大学側の疑問を解消することができます。
以上の3つの特徴を書くことで、ありきたりでない、あなたにしか書けない志望理由書が書けるようになるでしょう。大量の志望理由書がある中で、大学側の目に留まる志望理由書は、いかに大学側に「この子面白いな」と思わせるかです。そのためには、まずはこの3つの特徴を取り入れて、志望理由書をつくっていきましょう。
面接
総合型選抜の面接では、主に
・自己PR
・その大学・学部の志望理由
・学生時代の取り組み
・大学で何を学びたいか
・大学での学びを活かして将来どうなりたいか
などが聞かれます。
あれ、この序列さっきも見たな、と思いましたか?
そうです。主に聞かれる事は、志望理由書の内容なのです。
しかし、そこで「じゃあ志望理由書を暗記すれば楽勝じゃん!」なんて思ってはいけません!
面接は、志望理由書の内容をもっと深く知るための試験です。
受験生と直接面接することを通して、「この子は本当にうちの大学で学ぶ意欲があるのか」を話す内容だけではなく態度なども含め判断します。
そのため、自分をいかに魅力的に見せるかがカギとなるでしょう。
練習は、学校や塾の先生と一緒に練習し、模擬面接を何度も繰り返すのが一番おすすめです。
やってみると、意外と上手く話せないと感じる人が多いかと思います。
しかし、何度も練習し、「この質問がきたらこう答える!」というパターンを身に着けておくことで、本番でも落ち着いて話すことができるでしょう。
小論文
小論文と聞くと、なんだか難しそう…と思う方も多いかと思います。
作文なんて中学生からやってないなんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、小論文は型に沿って書けば案外楽勝です!
慶應に小論文で受かった私が、小論文の「型」をこの記事を読まれた方だけに特別に伝授します!
ずばり、【PREP法】を用いて書くことです!
PREP法とは、
P(Point)=結論、R(Reason)=理由、E(Example)=具体例、P(Point)=結論
の順で文章を構成する方法のことです。聞いたことある方もいらっしゃると思います。
「それだけで書けるようになるなら、みんな書けちゃうじゃん」と思うかもしれませんが、この型を最低限守った上で、自分の個性を出していかなければいけません。
また、小論文には字数制限が設けられることがほとんどだと思いますので、どのパートを何文字くらいで書こう、などと考えながら書く必要があります。さらに文章を読んでから小論文を書く際には、文章の内容を理解する時間も必要になってきますよね。
(これは私が小論文の練習のときに書いた実際のメモです。400字の小論文でも、私はこのようにしっかり構成を書きます。)
ここまで聞くと、”小”論文と言えどしっかり構成から考えて取り組むべきだな、と思えてきませんか?
それでは、具体的な対策方法をご紹介します。
時期によって異なってきますが、
高校3年生の4月あたりからは、まず型に沿って書く練習をしましょう。そのため、小論文の問題がたくさん載っている参考書などを買い、ひたすら小論文を書いて慣れましょう。
8月あたりからは、志望校の問題傾向を意識して対策してみましょう。まだがっつり過去問を解かなくても大丈夫ですが、ある程度出るテーマに傾向がありますので、そのテーマを中心に練習をしていきましょう。
受験の2か月前くらいになったら、いよいよ過去問に取り掛かりましょう。5年分の過去問が売られていることがほとんどだと思いますが、1度解いたらもうやらないのではなく、時間をあけて何度も繰り返し解くことが重要です。以前解いた問題でも、意外と書けないものです。数をこなすというよりは、構成の作り方を着実に身に着けていくことに重点をおきましょう。
添削は、塾や学校の先生に頼んでみてくださいね。また、いつも同じ人に頼むのではなく、たまに違う人に見てもらったり、同じ文を複数人に添削してもらうこともおすすめです。小論文には答えはありませんので、「こんな考え方もあるな」という勉強になります。1人の言うことが絶対正しいなんて言えませんので、フィードバックで厳しいことを言われたとしても「そういう考えもあるよな!」くらいに受け止めてくださいね。
プレゼンテーション
大学の中には、面接の代わりにプレゼンテーションを設けるところもあるでしょう。
プレゼンテーションは、面接とは違った難しさがあります。
大学によってプレゼンテーションの内容は変わってきますが、大きく分けて2つのパターンがあります。
①大学から出されたテーマについて自分の意見をプレゼンする
②大学の志望動機や学習計画をプレゼンする
例えば東洋大学文学部教育学科(2025年度総合型入試)では
あなたがこれまで学校教育の中で受けてきた授業の中で、強く印象に残っているのはどんな授業ですか。また、その授業を計画・実践された先生の意図や工夫についてあなたはどう考えますか。具体的な授業を取り上げ、教育学関連の参考文献の文章やデータを引用しつつ1800字以上2000字以内で論じてください。
これは提出書類の1つである課題論文ですが、2次試験もこのテーマでプレゼンテーションを行います。
このように、自分の意見や考え方を伝えるプレゼンテーションが1つのパターンとしてあげられます。
このパターンでは、他の人とは絶対被らないような具体例をあげたり、あなたならではの意見を述べたりすることが大切です。
また、もう1つのパターンとして、面接の代わりに志望動機や学習計画をプレゼンする大学もあるでしょう。
それでは、プレゼンテーションはどのように準備を進めるべきでしょうか。
よくありがちなのが、いきなりプレゼン資料を作り始めてしまうことです。
プレゼンテーション試験で一番大切なのは、「相手に自分の意見が伝わるか」です。そのため、話す流れも考えずいきなり資料を作成してしまうと、「結局、何が言いたいんだ?」となってしまいがちです。
そのため、以下のステップで準備を進めていきましょう。
①自分の意見をまとめ、話す内容を文章化する
②文章だけのプレゼンを作成し、構成がおかしくないか確認する
③時間配分なども考え、話す内容を取捨選択する
①では、軽くで大丈夫なので話す内容を文章化しましょう。
文章化することで、自分の1番伝えたいことを明確にできたり、「こういう理由だから、私はこの意見だ」といった流れを整理することができたりします。
プレゼンテーションはスライド資料を用いて話せるため、それに影響されがちです。しかし、スライド資料はあくまで説明を分かりやすくするためのものですので、口頭の説明だけを聞いても伝わるようにしましょう。
次の②では、見やすさやデザインなどを考慮せずに、文章だけのプレゼン資料を作成しましょう。
そして、話す流れがおかしくないか、最終確認をしてください。
構成を完璧にできたら、見やすくデザインをしましょう。
③は、実際に話す練習です。設けられた制限時間以内にプレゼンができるよう、どの部分を〇分で話せるようにするかを考えながら練習しましょう。
また、練習の際には自分のプレゼン姿を録画したり、周りの人や先生に見てもらったりすることで、改善点も見つけやすくなります。
自分の話す姿の録画を見たり、他人に聞いてもらったりすることは確かに抵抗があるかもしれません。しかし、その姿は実際に面接官も見る姿ですので、自分の弱点を受け止めて、改善していきましょう。
総合型選抜対策の塾には行くべき?
総合型選抜を受けようとは思っているけど、総合型専門の塾に行くべきか迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、総合型選抜で慶應義塾大学に合格した私の体験談をお話しします!
Q1.総合型選抜対策専門の塾に行くことは検討しましたか?
難関大学の合格を狙っていたので、1人で対策することに不安を抱いていました。
また、もともと一般受験専門の塾に入っていたため、費用が増えてしまうことも懸念点でした。
そこで、もともと所属していたはたらく部が総合型選抜の対策をしていたため、オンラインの分費用を抑えることのできる、はたらく部の総合型選抜対策を受講しました。
Q2.改めて、専門の塾には行くべきだと思いますか?
私は入るべきだと思います。
特に、総合型選抜だけを受ける予定の人は塾に入ることをおすすめします。
しかし、中には総合型選抜だけでは不安のある方や一般受験も考えている方もいるかと思います。
実際に私も一般受験も合わせて対策するつもりで、総合型専門の塾に入るかとても悩みました。
しかし、既に一般受験用の塾に入っていたこともあり、費用がさらに増えることや通塾の頻度が増えることが懸念点でした。
そこで私はオフライン塾ではなくオンラインで対策をしてもらえるはたらく部の総合型選抜対策アカデミーを受講しました。オンラインで対策してもらえることのメリットは、費用を抑えられることと、自宅から気軽に受けられることだと感じます。
そのためぜひ、一般受験も総合型選抜も対策したい!という方はオンラインで対策してもらえる塾に入るのが良いでしょう。
総合型選抜を受けたいけど活動実績が少ないと感じている方へ
受験まで時間がないのに、志望理由書に書く活動実績が少ないと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方におすすめしたいのが、「はたらく部」です。
はたらく部の「通常コース」では月に3回90分のワークショップを行い、ビジネスや社会のことについてオンラインで学んでいます。ワークショップを行うのは、はたらくことを楽しんでいる社会人で、起業家や大手企業に務めた経験のある人から学ぶことができます!
ワークショップは中学生・高校生を対象としており、それぞれ2つのコースに分かれています。同世代の学生と一緒にワークショップを受けたり、刺激をもらったりすることで成長につながります。ワークショップで学んだことを実際に活かせる機会もたくさん設けていますので、活動実績を増やしたい方は要チェックです!
また、はたらく部では通常コースに加え「総合型選抜コース」を設けています。こちらもオンラインで受講できます。
高校1・2年生は個人に合わせたカリキュラムを作成し、探究能力のトレーニングや課外活動の支援を行います。
高校3年生は1年間で合格、そして学び続けられる姿勢を育成します。もちろん、途中からの入部でも講師とメンターが丁寧にサポートを行うのでご安心ください。
第1志望校の対策に限らず、併願校への出願や2次試験の対策など、最後まで一緒に伴走します。
はたらく部で「学校では習わないこと」を学べるのは総合型選抜でも強みになります。さらに、一緒に総合型選抜の対策もできます。そのため、活動実績を短期間で増やしたい方・総合型選抜の対策をしたい方はぜひ無料体験に参加してみてくださいね!
総合型選抜対策についてよくある質問
ここからは、総合型選抜の対策でよくある質問に答えていきます!
まず何から始めればいいのですか?
まずは「活動実績をつくること」から始めましょう。 総合型選抜では、出願のときに志望理由書の提出が求められます。そのため、活動実績をつくり志望理由書に書くことをあらかじめ準備しておく必要があります。なるべく受験生になる前に実績をつくっておくことで、スムーズに出願の準備に移れるでしょう。
総合型選抜で重視されるのは何ですか?
総合型選抜では、①活動実績を通して何を学んだか、②それを通して大学では何を学びたいか、が重視されます。 なぜなら、大学が総合型選抜で取りたいのは「大学が求める学生像」と合っている生徒だからです。 「この子が学びたいことがうちの大学で学べるのか」をアピールするには、自分の学びたいことと大学で学べることを明確に伝える必要があります。
新久 さくら
もともととても消極的な性格だったが、はたらく部と出会い積極的に活動できるように。この体験から、探究活動によって学生が自分らしく生きれるようになってほしいという思いで活動をしている。はたらく部インターンで経験を積みつつ、学生が関わることで地域活性化を目指すプロジェクトを立ち上げた。