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総合型選抜の課題レポートの書き方と 例文を高校生に分かりやすく紹介

総合型選抜の課題レポートの書き方と例文を高校生に分かりやすく紹介

目次目次

    「総合型選抜の課題レポートの書き方が分からない…」「課題レポートの例文を知りたい!」といった方も多いのではないでしょうか。この記事では、総合型選抜の課題レポートの書き方と例文をご紹介します。この記事を見れば、総合型選抜で評価されるレポートを書けるようになるでしょう。

    総合型選抜における課題レポートとは?

    総合型選抜における課題レポートとは、総合型選抜を受けるときに大学から課される、テーマ型のレポートや小論文のことです。課題レポートはよく、第一次選考のときに志望理由書や活動報告書などの書類とともに、提出を求められます。

    課題レポートと活動報告書の違い

    課題レポートは課されたテーマに沿って自分の意見を述べる小論文なのに対し、活動報告書は高校時代に行った活動について記述したものです。課題レポートの中には、「自身の経験を踏まえて記述しなさい」などといったテーマが課されるものもありますが、活動報告書とは違い、あくまでテーマに沿って自分の意見を述べるものになっています。活動報告書は、活動した内容や活動して考えたことについてのみを書くものです。

    課題レポートでは何が評価されるのか

    課題レポートで評価されるのは以下の3つです。

    • 基本的な文章の構成ができているか
    • 自分の意見を論理的に記述できているか
    • その人の色が出ているか

    まず、自分が言いたいことを正しく相手に伝えるには、基本的な文章の構成に基づいて記述できていることが前提です。課題レポートの基本的な書き方は、次の章でご紹介します!

    次に重要なのは、「自分の意見を論理的に記述できているか」です。意見を言うだけでなく、なぜその意見になったのか等を筋道立てて、矛盾なく説明できている必要があります。

    最後に、一番大切なことは、「その人の色が出ているか」です。どれだけ論理的な意見を言っても、誰もが書けるような文章だと、他人との差別化を図れません。課題レポートに自分の色を出すには、自分の経験や今までに考えてきたことを入れ込む必要があります。そのためには、受験生になる前からたくさん課外活動をしたり、日々ニュースを見て自分はどう思うかを考えたりしましょう。

    総合型選抜の課題レポートの書き方

    総合型選抜の課題レポートは、「PREP法」を用いて書きましょう。
    この方法を使えば、自分の主張を整理して論理的に分かりやすく、自分の意見を述べることができます。
    それでは早速、PREP法について見ていきましょう!

    レポートや小論文にはPREP法を使え!

    PREP法とは、自分の意見を筋道立てて、相手に分かりやすく自分の意見を伝えるための方法です。PREPとは、Point(要点)・Reason(理由)・Example(具体例)・Point(要点)の頭文字です。

    文字数制限が200字以下など、少ない場合は多少構成を変更する必要がありますが、基本的にはこのPREPの流れで記述していきましょう。

    Point|書き出し(結論)

    まず、文章の最初に自分の意見を一言で述べます。その後、その結論に至った理由を簡潔に述べましょう。

    Reason|理由(本論)

    Reasonでは、自分の主張の裏付けとなる理由を記述しましょう。例えば、主張のテーマに関する最近の社会問題や風潮などを取り上げ、「確かに今そんな現状があるよね」と読み手に納得させることで、説得力を増すことができます。

    また、ここでは自分の主張に対して予想できる反論に、反駁しても良いでしょう。反駁の際は、「確かに、〜。しかし〜」という流れで書くと書きやすいですよ。

    Example|具体例(本論)

    Exampleでは、Reasonで挙げたテーマに関する事例や、実際に自分が体験したことを挙げましょう。「具体例って、課題レポートの中ではあんまり重要じゃないんじゃないの?」と思ったそこのあなた、それは間違いです。実は、自分の個性を出すためには一番の場所です。

    自分の具体例を書き、「お、この生徒面白いな」と思わせた上で、自分の主張と結びつけられたら最高です。

    Point|主張(結論)

    最後の段落では、再び自分の主張を書きましょう。再度結論を書くことで、自分自身が考えを整理することができるとともに、読み手側にも自分が何を主張したのかということを再認識させることができます。

    ここでは、今まで述べてきたことを1〜2行で簡潔にまとめ、「そのため私は〇〇であると考える。」などと締めくくりましょう。ただ、最後に一番注意して欲しい点は、「最初のPointで使った言葉をなるべく置き換えて記述する」ということです。

    例えば、最初に「私は、総合型選抜や推薦入試が広がり個人の興味や非認知能力が評価される現在、これからの社会には一人ひとりの挑戦を支える仕組みがますます必要になると思う。」と書いたとします。それでは、最後の結論はどのように書くべきでしょうか。あくまで一例ですが、「以上のことから、勉強以外の能力が求められるようになった現在、学生一人ひとりの挑戦をサポートする仕組みを、社会はこれから創っていくべきだ。」と書くことができます。

    このように、なるべく同じ表現を繰り返し使わないことで、表現のレパートリーが増え、自分の表現力をアピールすることができます。

    課題レポートの種類別の例文

    課題レポートには、主に以下の4つの種類があります。

    • 「〇〇について」のような短いテーマ
    • 自分の経験を交えて書くパターン
    • 文章を読んで書くパターン
    • 図や表を見て書くパターン

    それでは、各種類別の例文を見ていきましょう。

    「〇〇について」のような短いテーマの例文

    「〇〇について」のような短いテーマのときは、テーマがシンプルで細かな規定がないので、自由に意見を書くことができます。

    設問例

    「多様性との関係について」

    解答例文

    「多様性とは自由な生き様や思考を作り出せるような関係であるべきだ。なぜなら、現在、人々は多様性を求めるあまり自由ではなくなってしまっているからだ。

    近年、多様性や個性を持つためには他者との差異を確立しなければならないという思考にとらわれ、自由な生き方ができていない人が多い。しかし、多様性には子後の人生の背景という意味があるように、多様性は本来、他者との違いを強調するものではない。そのため、人々は多様性の本来の意味を認識し、差異を確立しなければならないという思考から解放されることによって、自由に生きることのできる社会を構想すべきだ。

    私自身、飛び抜けた特徴を持っておらず悩んでいた時期があったが、個性を他人と比較せず、様々な人と関わった結果、自分の多様性を見つけることができた。この経験からも言えるように、多様性が比較されないことで自由が生まれる社会が実現されるべきである。」

    自分の経験を交えて書くパターンの例文

    自分の経験を交えて書くパターンでは、テーマに沿った自分の意見を書きつつ、自分が高校時代にしてきた活動実績をアピールする必要があります。

    設問例

    「他者との関わりの中で価値観が変わった経験と、その変化について説明してください」

    解答例文

    「私は他者との関わりを通して、挑戦することへの価値観が変化した。

    近年の日本では、総合型選抜や推薦入試が増えていたり、総合的な探究の時間が必修化されたりと、学力以外の能力が求められるようになっている。私の高校も、探究学習や課外活動に力を入れている高校の一つである。しかし、高校に入学した当初の私は将来の夢や興味ある分野もなく、そのような活動に興味を持つことができなかった。課外活動をやっても意味がないと思っていたり、面倒臭いものだと感じていたりした。

    しかし、周りの友達や担任の先生に勧められたため、私は最初に高校生のビジネスコンテストに出場してみた。そうすると、意外にも楽しいことを知った。私は課外活動やビジネスコンテストに積極的に取り組んでいる人のことを「意識高い系」と思ってしまっていたが、それは挑戦できていない私と、「意識高い系」の人たちを比べた際に生まれる嫉みであると気づいた。そこから、挑戦することへの価値観が私の中で大きく変化した。挑戦することは、面倒くさいことではない。むしろ楽しいし、自分を成長させるものであるということを、他者との関わりによって知った。」

    文章を読んで書くパターンの例文

    文章を読んで書くパターンでは、まず文章の要点をまとめ、その後自分の意見を記述しましょう。

    設問例

    近年、AI(人工知能)の発展は著しく、私たちの生活や仕事の在り方を大きく変えつつある。私は、AIの発展は社会に多くの恩恵をもたらす一方で、人間がどのようにAIと関わっていくかという「倫理的な態度」がより重要になると考えている。

    AIは医療や教育、物流などさまざまな分野で人間の能力を補完し、効率化や安全性の向上に貢献している。特に私が関心をもったのは、発話障害を持つ人がAI音声を使って自分の言葉を再構成する技術である。AIは、従来の社会的障壁を乗り越える「橋渡し」の役割を果たすことができるのだ。

    しかしその一方で、AIに過度に依存し、自分で考える力や判断力を弱めてしまうリスクもある。また、AIが扱うデータの偏りや差別的判断が社会に新たな格差を生む可能性もある。人間はAIにすべてを任せるのではなく、常に「判断する主体」として関わり続ける必要がある。私は将来、教育に関わる仕事を目指しているが、AIをただの「便利な道具」として使うのではなく、人間の想像力や多様性を広げる手段としてどう活かすかを考えていきたい。AIと人間が補い合いながら、より良い社会をつくるにはどうすればよいか、その問いを持ち続けたい。

    この文章を読み要点をまとめた上で、あなたの意見を述べなさい。

    解答例文

    私は、教育の観点から見て、人間とAIの関係性をもう一度見直すべきと思う。なぜなら、AIに頼ることで創造力が身につかないからだ。

    近年、世界中でAIが発展しており、その使用も普及している。様々な分野でAIを導入することにより、作業の効率化を測ることができるとともに、人間にとって危険な作業もAIが行うなどすることにより、安全性の向上も期待できる。もはや私たちはもうAI無しでは生きられないほど便利で、私たち人間に良い影響をもたらしてくれる。しかし筆者はAIへの依存を強く危惧しており、AIに頼りすぎることによって、自分で考える力や判断力を弱めてしまうのではないかと主張している。

    筆者の意見に対して、私は強く賛成する。現在、生成AIの発展によって完成度の高い文章を一瞬で作ることができる。しかし、この環境は、教育に大きな影響を与えてしまうと私は思う。大学や高校での生成AIの使用がよく問題になっているが、自分で考えて記述すべきだからこそレポートなどの課題が出ているのにも関わらず生成AIを使うのは、生徒の考える力を益々衰えさせるきっかけになると思う。AIは人間が楽をするために作られ、そのこと自体は否定しないが、使っていい場面と悪い場面を明確に区別するべきだ。

     

    図や表を見て書くパターンの例文

    図や表を見て書くパターンでは、図や表から読み取り推測できることを記述し、その後自分の意見を述べましょう。

    設問例

    以下の2つのグラフのうち高校生の数値に注目し、推測できることを述べた上であなたの意見を述べなさい。

    グラフ1…不読者の割合

     

    グラフ2…青少年のインターネットの利用時間

    解答例文

    近年、本を読まない高校生の割合は減少してはいるものの、50%前後で横ばいになっており、約半分の高校生は全く本を読まないことが分かっている。また、インターネットの利用時間のグラフを見ると、高校生のうち約33%もが1日に7時間以上インターネットを使用していることが分かる。高校生全体で見ると、約80%以上の高校生が1日に3時間以上、インターネットを利用している。

    最近世間では「若者の本離れ」という言葉が出回っているように、本を読む学生の数が減少しているように感じる。実際にデータを見ると、そこまで大きな減少はなく、不読者の割合は横ばいではあるものの、インターネットの利用時間が学生の生活時間の大きな割合を占めるようになってきているのは事実と言えるだろう。不読者の割合とインターネットの利用時間に明確な因果関係があるとは言い切れない。しかし、スマホ等のインターネットに費やす時間が増えれば、相対的に読書に費やせる時間は減少すると思われる。

    この現状に対して私は、読書も含め、高校生のときにしかできないこともたくさんある中、インターネットに時間を大きく割いてしまうことは勿体無いと思う。SNSの媒体が増え、私たちはいつでも世界や友達と繋がることのできる時間になった。しかし、SNS上での意見や画面上のみの情報に踊らされ、インターネットをつい見すぎてしまったり、気分が左右されたりする。

    実際私も、SNSを見漁って時間を溶かしてしまうことはよくあった。しかし、課外活動や探究活動など、高校生だからこそできることに取り組むようにした結果、インターネットとの向き合い方を考えようと思えた。インターネットは確かに面白く、見ているだけで楽で、ついついやめられなくなってしまう。しかし、貴重な高校生活の時間を、小さな画面を見る時間に割いていいだろうか。私はよくないと思う。画面の外を見て、今しかできないことをした方が、絶対に自分の成長につながる。そのため、高校生は今一度インターネットの使用時間を見直し、関係をもう一度考えていくべきだ。

     

    活動報告書・活動レポートとは

    活動報告書・活動レポートとは、自分の活動実績をまとめた書類のことです。活動報告書の形式は大学によって異なりますが、自分が高校生活でしてきた活動内容と、それを行って得たことについてまとめる場合がほとんどです。活動の種類としては、課外活動、探究活動、ボランティア、留学、資格の勉強、部活動などが挙げられるでしょう。

    活動報告書では何が評価されるのか

    活動報告書で評価されるのは以下の3つです。

    • 何を目的に、何を行なってきたか
    • 活動から得たものや成長は何か
    • 活動を経て今後どうしたいか

    何を目的に、何を行なってきたか

    まず、「何を目的に、何を行なってきたか」が重視されます。大切なのは、「何を目的に」です。確かに活動報告書は、自分が行なってきた活動をアピールする書類です。しかし、活動内容がいくら充実していても、それを列挙しているだけで評価されるわけではありません。なぜその活動を行なったのかをしっかりと記述することで、自分のオリジナリティを出すことができるでしょう。

    次に、「活動から得たものや成長は何か」が見られます。こちらも、ただ活動したということを書くのではなく、その結果何を学んだのかを書くことで、大学側に「この子はこんな考え方や能力を持っている子なんだな」と認知してもらうことができます。

    最後に、字数やフォーマットによりますが、「活動を経て今後どうしたいか」を書くことで、「この大学でこれを学びたいんです!」という思いをアピールでき、効果的です。

    活動報告書・活動レポートの書き方

    総合型選抜の出願には、活動報告書の提出が必要とされる場合もあります。

    活動報告書や活動レポートはどのように書くのか、見ていきましょう。

    ①一番力を入れた活動をメインで書く

    活動報告書では、自分が一番力を入れた活動をメインで書きましょう。

    まず、何を行なってきたのか、そして、それを始めたきっかけや目的を記述してください。活動内容は最大限具体的に書きましょう。例えば、数値があるもの(1位、20組中2位、100人規模のイベント…など)は数値を用いて書いたり、具体的な名称がある場合は固有名詞で書いたりできます。

    ②活動をしたことで学んだことを書く

    活動内容やその目的が書けたら、活動したことで学んだことを書きましょう。これは、活動報告書において一番重要なパートです。

    活動する前とした後の自分について、変化を通して感じた思いも含めて記述していきましょう。活動を通して大きな変化があったらそれは嬉しいですが、活動報告書では劇的な変化は求められておらず、活動を通して「何を感じたか」が一番大切となります。劇的な自己変容がなくても、活動を通して生まれた思いを、活動報告書を通してアピールしましょう。

    ③今後の活動の方針を書く

    最後に今後の活動の方針を書きましょう。「高校生活ではこれを目的にこんなことを行なってきて、こんな学びがあったから、今後はこんな活動をしていきたい!」という思いをぜひ表現してください。志望理由書ではないので詳しい記述は不要ですが、大学で学びたいことも記述してみると、大学への熱い思いが伝わりますよ!

    総合型選抜のレポートの書き方や例文まとめ

    総合型選抜の課題レポートの書き方はわかりましたでしょうか?

    課題レポートのパターンや傾向は、大学によって大きく異なります。しかし、どんなパターンでも記事内で紹介した方法を使えば、誰でも論理的に課題レポートを書くことができます!

    例文も各パターンごとに用意していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

    はたらく部では、月3回の社会やビジネスについて学ぶセッションを行うだけではなく、総合型選抜対策も行なっております。総合型選抜の対策では、志望理由書に加え、小論文や課題レポートの対策もできますので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。

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    この記事を書いた人

    新久 さくら

    もともととても消極的な性格だったが、はたらく部と出会い積極的に活動できるように。この体験から、探究活動によって学生が自分らしく生きれるようになってほしいという思いで活動をしている。はたらく部インターンで経験を積みつつ、学生が関わることで地域活性化を目指すプロジェクトを立ち上げた。

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