ブログBlog
【専門学校卒で目指せる給料が高い職業】男女別ランキングTOP3
目次
専門学校卒業のみで目指せる職種はさまざまですが「給料が高い職業」という点に焦点を合わせると、どのような職業があるのでしょうか。今回は「専門学校卒で目指せる給料が高い職業」というテーマで男女別に給料の高い職業を紹介します。
「進路に迷った時」や「将来の夢がわからない」という人は進路選択の一つの目安になるかもしれません。
高年収の定義とは
専門学校卒で目指せる給料の高い仕事を紹介する前に、年収がいくらくらいであれば「給料が高い」といえるのかの基準についてみていきましょう。
高収入の基準に明確な定義はありません。企業規模や勤務形態、もっと広くみると家族構成など、さまざまな観点で定義を考えることができます。なので「高収入の定義は人によって異なります」というのが正解です。
ですが、それでは話が進みません。ここでは「令和3年分 民間給与実態調査」にある3つの資料を参考に高収入の定義を考えていきます。
日本人の平均年収
まずは日本人の平均年収です。令和3年分の結果は次の通りです。
・平均給与:443万円
・男性の平均給与:545万円
・女性の平均給与:302万円
(出典:令和3年分 民間給与実態統計調査|国税庁 (nta.go.jp))
年齢階層の平均年収
次に、年齢階層別の平均年収です。
なぜ年齢別の年収を確認するかというと、日本には「自動昇給」と呼ばれる昇給制度があるためです。自動昇給は、年齢や勤続年数により給与をあげるというシステムで、給与の上がるタイミングは企業によって違ってきますが日本では比較的主流な昇給制度といえます。そのため年齢によって年収の金額が大きく変わってくることがあるのです。
(引用:000.pdf (nta.go.jp)P21)
資料によると男女計の平均年収が最も高くなるのは55歳~59歳の529万円です。男性も55歳~59歳の時が最も高く687万円、女性は25歳~29歳、45歳~49際、50歳~54歳の時で328万円でした。
給与階級別分布
最後に給与階級別分布です。
給与階級別分布とは、給与額ごとに「100万円~200万円」「300万円から400万円」などの区分を設け、各区分にどのくらいの給与所得者がいるのかをまとめたものです。
平均賃金と異なり、どのくらいの給与額の人が多いのか、ボリュームゾーンを知るために役立ちます(※)。
※平均賃金が意外とアテにならない理由
平均賃金を求めるための計算式は「調査対象者全員の給与を足した総額/調査対象者の人数」です。少し極端かもしれませんが、この中には年収十数万円から年収数千万円までさまざまな人がいるでしょう。
1人あたりの給与はどんなに低くても0円ですが、上には限界がありません。年収数千万円クラスの高所得者たちが平均を引き上げてくれているのです。平均賃金は中央値ではないことを念頭に置いておきましょう。
参考:000.pdf (nta.go.jp)P19
区分 | 人数 | 割合 |
100万円以下 | 4,251,000人 | 8.1% |
100万~200万円 | 7,011,000人 | 13.3% |
200万~300万円 | 7,818,000人 | 14.8% |
300万~400万円 | 9,145,000人 | 17.4% |
400万~500万円 | 7,882,000人 | 15.0% |
500万~600万円 | 5,527,000人 | 10.5% |
600万~700万円 | 3,526,000人 | 6.7% |
700万~800万円 | 2,432,000人 | 4.6% |
800万~900万円 | 1,518,000人 | 2.9% |
900万~1,000万円 | 1,004,000人 | 1.9% |
1,000万~1,500万円 | 1,850,000人 | 3.5% |
1,500万~2,000万円 | 432,000人 | 0.8% |
2,000万~2,500万円 | 136,000人 | 0.3% |
2,500万円越 | 166,000人 | 0.3% |
区分別では「年収300万~400万円」が最多、その前後の「200万~300万円」「500万~600万円」が次いで多いです。平均賃金433万円よりも少し下のゾーンが中央値と考えるといいでしょう。
「800万~900万円」「900万~1,000万円」よりも「1,000万~1,500万円」が多いのは、少し意外かもしれません。
専門学校卒者は自分の専門とする分野や技術に磨きをかけていくことで、キャリアアップや年収アップを目指していくことになるでしょう。
年収1,000万超プレイヤーの中には、技術に磨きかけて突き抜けた人もたくさんいます。これは、専門学校で学ぶ人にとって励みになることでしょう。
3つの観点で見た時の高収入の考え方
令和3年分 民間給与実態調査にある3つの資料からみた年収の数値は次の通りです。
【男女計】
平均給与:443万円
年齢階層別(最高額):529万円
給与階級別分布:200万円以上400万円以下が47.2%と約半数
【男性】
平均給与:545万円
年齢階層別(最高額):687万円
給与階級別分布:300万円以上600万円以下が42.8%と約半数
【女性】
平均給与:302万円
年齢階層別(最高額):328万円
給与階級別分布:100万円以上400万円以下が61.4%と過半数
男女計の約半数の年収が400万円以下で平均給与が443万円であれば、平均給与は全体よりも給与がやや高いくらいです。さらに年齢によっては最高で平均529万円が目指せるとすると、529万円以上は高収入に分類できそうです。ここでは、分かりやすいよう四捨五入をして530万円以上を男女計の高収入の基準とします。
男性の約半数の年収が600万円以下で平均給与が545万円、平均給与の方が全体よりもやや低いくらいです。年齢別でみたとき、最高で平均687万円を目指せるならば、687万円以上で高収入に分類できそうです。こちらも分かりやすいように四捨五入をして、690万円以上からを男性の高収入の基準にしてみましょう。
女性の過半数以上は年収400万円以下で平均給与は302万円でした。差異は約100万円となかなか大きな数字です。
年齢別で見た時の平均給与の最高額は328万円で平均給与よりもやや高いくらいでした。
例えば、「平均給与の302万円も、年齢別で見た場合の最高額326万円も給与階級別分布の過半数に含まれる」という考え方をしてみます。そうすると給与階級分布で400万円以下が過半数を超えているという点から、女性の場合は年収が400万円以上であれば「年収が高い」と考えることができそうです。
資料の見方も人によって違うと思いますが、ここでの高収入の定義は、男女計が「530万円以上」・男性が「690万円以上」・女性が「400万円以上」とします。
専門学校卒で目指せる給料が高い職業
基準が決まったところで本題に入っていきましょう。ここでは日本生活情報協会が公開している情報を参考に、専門学校卒のみで目指せる給料の高い職業と平均年収をみていきます。
専門学校卒で目指せる給料が高い職業ランキング【男性編】TOP3
【1位(1位)】航空機操縦士(パイロット)
【2位(4位)】公認会計士・税理士
【3位(7位)】管理的職業従事者
※専門学校卒業のみでも目指せる仕事を上位からピックアップしてランキングを作成
※()内は参考資料での本来の順位
(参考:給料・年収が高い仕事ランキング!職業別に独自アンケート調査を実施 (jsad.or.jp))
1位 航空機操縦士(パイロット)
【平均年収】1,773万円
【目指し方】高校卒業⇒専門学校⇒事業用操縦士の国家試験⇒航空会社採用試験
※専門学校を卒業する場合の一般的な進路
専門学校卒業で目指せる給料が高い職業ランキング男性編の1位は「パイロット」でした。参考資料のランキングでも専門学校卒業のみでも目指せる仕事に絞った場合でも、パイロットが1位になります。
パイロットになる方法は大きく3つあります。そのうちの1つが、パイロット養成コースのある専門学校で訓練を積み「事業用操縦士」といった国家資格を取得する方法です。資格取得後は、航空会社の有資格者採用に応募することでパイロットを目指せます。
2位 公認会計士・税理士
【平均年収】1,031万円
【目指し方(税理士)】高校卒業⇒専門学校⇒税理士試験
※専門学校を卒業する場合の一般的な進路
専門学校卒業で目指せる給料が高い職業ランキング男性編の2位は「公認会計士・税理士」でした。
公認会計士は、まず国家資格の公認会計士試験に合格する必要があります。公認会計士試験は、年齢や学歴の制限を設けていません。何歳でもどんな学歴であっても試験を受けることができます。
ただし公認会計士を名乗るためには「試験に合格後監査法人へ就職して2年以上の実務経験を積む」「実務補習を受講して修了考査への合格」が必要になります。一般的に、公認会計士としてスタートを切るまでには就職してから3年程度はかかります。
一方、税理士になるためには大きく3つの方法があります。中でも一般的なのが「税理士試験に合格して2年以上の実務経験を積むこと」です。税理士試験は学識、職歴、資格のいずれかを満たすことで受験資格が得られます。
学識の場合は、「専門(専修)学校・短大・大学」のいずれかに進学をして法律学または経済学の単位を取得する必要があります。
職歴は「一般企業や税理士事務所などに就職して一定の職歴を積むこと」資格であれば「日商簿記検定1級合格者」または「全経簿記検定上級合格者」であることでも受験資格を得ることができます。
3位 管理的職業従事者
【平均年収】879万円
【目指し方(税理士)】高校卒業⇒専門学校⇒就職・独立・起業など
※専門学校を卒業する場合の一般的な進路
専門学校卒業で目指せる給料が高い職業ランキング男性編の3位は「管理的職業従事者」でした。
管理的職業従事者は事業の経営や管理をする職種、いわゆる「管理職」です。もう少し分かりやすくいうと、就業者のうち会社役員、企業の課長相当職以上、管理的公務員などを指します。このほか総務省の「日本標準職業分類」では、個人事業主も管理的職業従事者に分類しています。
管理的職業従事者については学歴が必要な職種もありますが、それ以外は学歴に関係なく目指すことが可能です。専門学校を卒業して管理的職業従事者になる場合は、より専門的な知識や資格を取得し、就職または独立・起業を目指すと良いでしょう。
専門学校卒で目指せる給料が高い職業ランキング【女性編】TOP3
【1位(3位)】航空機操縦士(パイロット)
【2位(5位)】管理的職業従事者
【3位(6位)】公認会計士・税理士
【番外編(11位)】助産師
※専門学校卒業のみでも目指せる仕事を上位からピックアップしてランキングを作成
※()内は参考資料での本来の順位
(参考:給料・年収が高い仕事ランキング!職業別に独自アンケート調査を実施 (jsad.or.jp))
専門学校卒で目指せる給料が高い職業ランキング女性編の上位3つは、順位は違うものの同じ職業がランクインしています。重複になるので、次からは職業ごとの女性の平均年収を紹介し、番外編として専門学校卒で目指せる給料が高い職業4位の「助産師」のお話をします。
1位 航空機操縦士(パイロット)
【平均年収】892万円
2位 管理的職業従事者
【平均年収】743万円
3位 公認会計士/税理士
【平均年収】742万円
番外編 助産師
【平均年収】578万円
【目指し方】高校卒業⇒専門学校(3年)⇒看護師の国家試験⇒看護師⇒助産師養成学校⇒助産師の国家試験
※専門学校を卒業する場合の一般的な進路
専門学校卒業で目指せる給料が高い職業ランキング女性編の番外編(4位)として「助産師」を紹介します。
助産師になるには「看護資格」と「助産師資格」が必要です。どちらも 国家資格で、専門学校・短大・大学のいずれかと養成所を卒業したうえで試験に合格する必要があります。専門学校の場合は「看護師養成課程」を卒業して看護師資格を取得した後に1年制の「助産師養成所」に通って助産師資格の合格を目指す方法もあります。
年収が高い職業に就くためのキーワードは「専門性」
「専門学校卒で目指せる給料の高い仕事ランキング」を男女別でみてきました。今回は上位3つまでしか紹介できていませんが、いずれも「専門性」の高い職業だった印象です。
文中で高年収の定義が人によって違うとお伝えした通り、何をもって給料が高いと感じるかはさまざまな条件で変わってくるでしょう。
また、今回は「専門学校の卒業のみで目指せる」という条件付きでランキングを紹介しましたが、専門学校を卒業したのちに大学へ進学するという方法もあるのを忘れないでください。それは逆もしかりです。
給料の高さは魅力的ではありますが、まずは自分の「やりたい」という気持ちが大切です。学歴や給料の高さだけに捕らわれず、なりたい自分を目指してください。
はたらく部LOG編集部
はたらく部LOG編集部は、中高生のみなさまやその保護者の方々に役立つ情報を発信していきます。