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新しい教育で社会にインパクトを与えよう! 「はたらく部」代表・コーチ・生徒の座談会【前編】
目次
2022年5月16日にスタートした、現役社会人コーチと同世代の熱い仲間と社会について考えを深め「はたらく」について体感できる、中高校生向けキャリア教育サービス「はたらく部」。初年度は、全国100名以上の生徒が有償月額会員で参加しました。
定期的に開催するオンラインのセッションのほか、塾や学校、企業などと連携したリアルイベント、集中してビジネスアイデアを生み出す合宿なども開催しています。
今回は、爆速で成長する「はたらく部」について、代表の山本・コーチの畠山・初期から参加する生徒の篠原が、どんな魅力があるのか、1年間の振り返りとともに語ります。
プロフィール
山本 将裕
はたらく部 代表
・NTTdocomo イノベーション統括部/ドコモアカデミー学長
・iU 情報経営イノベーション専門職大学 客員准教授
畠山 怜之
コーチプロデューサー/初代コーチ
・株式会社FASHION X 代表取締役
・iU 情報経営イノベーション専門職大学 客員准教授
篠原佑介
大学生インターン/初代「はたらく部」部員
「はたらく部」が誕生するきっかけ
――「はたらく部」は2023年5月に設立1周年を迎えました!誕生したのはどんなきっかけだったのでしょうか?
(山本)コロナ禍で日本の教育事業のデジタル化の遅れがあるのを感じていた時に、学校の先生と話をしたんですね。教育環境について会話するなかで、日本のキャリア教育がとても遅れていると聞いたことが、「はたらく部」をつくる構想のきっかけです。
例えば、学校の授業でも四半期に一度、学校外の人を呼んで1回授業をしていただいたらそれだけで終わり、というような形が多く、やっているようでできていない、というのが現状となっていることが多いとのことでした。先生から「それを何とかして変えたい!」と言われたことをきっかけに、継続的に学ぶ仕組みを作れないかな、と考えはじめました。
でも、学校の授業の枠は、なかなかとることは難しい。そこで、放課後の部活の顧問を外部委託するという事例もヒントにして、部活のように、放課後学び続けられる仕組みや、プラットフォームがつくれないかな、と考えついたのが「はたらく部」です。
(畠山)私は、山本とNTT時代に、部署を超えて横断的につながるコミュニティで出会いました。そこで、誘われたのが「はたらく部」にジョインするきっかけです。
教育には、元々興味があって、NTTも、教育をしたいと言って入社を決めたこともあって、「はたらく部」の構想も楽しそうだとすぐに思いました。
学生時代までさかのぼって思い返してみると、高校生一年生の時、文理選択の機会がありましたが、進路を考える材料は学校の5教科によるものだったり、大学進学の際に見られるのも偏差値くらいで、基準がまったく分からなかったんですよね。将来って、偏差値で決めていいものなんだっけ?と思うところがありました。
どんな大学で、どんな学部で、何ができるのか?大学進学だけが進路なのか、さらにその先にあるキャリアについて、今からやることをみずから選ぶためにも、「はたらく部」が学生時代に考えるきっかけになれば面白いな、と思いました。
立ち上げまでの構想
―― サービスを企画してから、立ち上げまでのことを教えてください
(山本)はたらく部の立ち上げまでには、約1年くらいかけました。
「キャリア教育事業をやりたい」とは思っていましたが、どうやったら授業にできるのかは悩ましく、検証を積み重ねました。中高生のみなさんや学校の先生たちへのインタビューは、何回したのか分からないくらい。ヒアリングをしながら、実は色々な教育関係者の方から「面白いね!」と仰っていただいたのですが、同時に、「難しいから、やめた方が良いよ」とも、言われました。課題感もあり、需要は確かにあるけれど、ビジネスとして、お金に変えて継続するのが難しいということでした。「たしかにそうかもしれないな」と思いながらも、突破できる道がありそうだ、とも考えていました。
実際に、今も試行錯誤していますが、ビジネスの目線で言うと、教育って、お金を出す人(主に保護者)とサービスを受ける人(生徒)が別なので、丁寧に設計する必要がありますね。まだまだ学歴社会なので、「体験」や「つながり」に価値を感じながら学んでいくという意義を理解していただく難しさはあると思っています。
でも、リリースしてから1年が経ち、有償月額会員で参加してくださった生徒さんは全国100人を超えるまでになり、一緒にやろう!と声をかけてくださる企業さんや塾など、仲間も増えていて、サービスが成長しているので、手ごたえは確かに感じています。
「はたらく部」が大切にしているのは、どんな言葉で対話すると生徒に伝わるか?ということ
―― 「はたらく部」は、オンラインキャリア部活という、ユニークなサービスだと思いますが、企画・設計・運営するにあたってのこだわりはありますか?
(山本)生徒同士のコミュニティを作るというのは、単に学ぶ場所という以上に、一緒に学ぶ仲間ができたり、普段家や学校では話せないことが話せる場になるというのが、大切な意味をもっています。一方的な動画配信コンテンツなどとの違いは、生徒が主体であり、自分たちで考えて、発言する、対話するというということ。生徒自身のアクティブさがとても大事ですね。サービスとしても「場」「教育」「副業コーチ」という三位一体となって作られているのが、はたらく部の強みです。
(畠山)私がコーチプロデューサー(※)としてこだわっているのは、楽しく授業するということですね。ただでさえ、社会のことって中高生からしたら当事者意識が持ちにくい。いかにして、分かりやすく説明できるかで考えると、面白くないと聞いてもらえないので、楽しさ・エンタメらしさは意識しています。
※コーチプロデューサー・・・コーチが、どのような立ち振る舞い、授業内容、話し方などがふさわしいか、どうすれば生徒へ伝えることができるかなど、コーチ業をプロデュースする役割
また、高校生の時の自分に話しかけているような感覚を大切にしています。
当然、ボキャブラリーは今より全然ないので、分かる言葉を使って伝えることは大事ですね。例えば「営業」について話そうとしたときに「ソリューション営業とプロダクト営業があって」と話し始めても、中高校生には分からないし、何より面白くないですよね。「営業って、例えば文化祭で言うと、他校の生徒を自分の学校のブースに連れてくることだよ」と話した方が伝わるし、面白い。どういう言葉選びをすると話が入ってくるかというのを、むかしの自分に話しかけている感覚で捉えて、工夫しています。
コーチとして良い体験を提供するために工夫することとは
―― 生徒から絶大なる信頼がある大人気コーチでもあるはたけさん、気を付けていることはありますか?
(畠山)コンテンツを自分の生々しい体験で、どう面白く伝えられるかを考えていることは、「はたらく部」ならではの面白さにつながっているのかもしれません。ググれば分かることではなく、相手の立場で話をする、興味をもってもらうということは、コーチとして、とても大事にしています。
「はたらく部」のコーチに応募したいという方は多く「自分の体験を活かした教育をしたい」「教育に強い関心がある」というお問い合わせも、有難いことにたくさんいただきます。社会人が中高生のみなさんとずっと定期的に対話を継続しながら、社会について伝えていく、という事業はまだ珍しいので、そのスキルがある人を見つけるのは中々難しいですね。
(山本)採用活動などで学生との接し方を見ていて「初代コーチは畠山しかいない」と思っていました。コーチは今後増えていくので、伝説のコーチとして、はたらく部のコーチがどういうものであるかを横展開して伝えていってほしい思いで、今はコーチプロデューサーをお願いしています。
「はたらく部」の面白さ・難しさ
―― 生徒が主体となってセッションや対話に参加する「はたらく部」ですが、面白さや難しさはどんなところですか?
(畠山)生徒と話す中で、自分が話したことで新しい発見ができた瞬間に立ち会えていることは最高に面白いですね!目の色が変わって、食い気味な質問や、表情が変わるのですぐにわかります。いっぽう、オンライン上で「はじめまして」になるので、話す時に画面オフ、ミュートから始まってしまう子などは、コミュニケーションが難しいなと初めのころは感じていました。社会に興味を持ってほしいなと思って話すのですが、心を開くまでのタイミングやスピードは、当然人によって違いますね。
(山本)オンラインでもコミュニケーション能力や自己肯定感を上げることはできる!と実感できてきたこと、学生たちの目の色が変わる瞬間に立ち会えるのが面白いところです。ただ、やはりオンラインでのファシリテーションは難しいですね。コーチの育成やノウハウ化も簡単ではありません。でも、だからこそ挑戦しがいもあります。
~新しい教育で社会にインパクトを与えよう!「はたらく部」代表・コーチ・生徒の座談会【後編】に続く~
<プロジェクト概要:はたらく部>
「はたらく部」は、株式会社NTTドコモの新規事業開発プログラム「39works」の協力の元、株式会社アルファドライブが運営する中高生向けキャリア教育サービス。バーチャル空間で、現役社会人コーチと同世代の熱い仲間と社会について考えを深める中高生向けキャリアのオンライン部活です。全国どこからでも参加可能!住んでいる地域に関係なく、都市や地方で活躍している大人から学ぶことができます。
■「はたらく部」公式サイト https://hatarakubu.jp/
■ Instagram https://www.instagram.com/hatarakubu/
■ Twitter https://twitter.com/hatarakubu
■ 生徒向けLINE https://lin.ee/LbYCnsJ
■ 保護者向けLINE https://onl.sc/azW4NX5
高橋 亜美
はたらく部 広報