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「はたらく」へのイメージが変わった!早稲田実業学校高等部の探究学習プログラムレポート
目次
「はたらく部」は、早稲田実業学校高等部で総合的な探究に取り組む「早実セミナー」の時間に、アントレプレナーシップ教育の一環で、「探究学習プログラム」を実施しました。2023年4月24日、出前授業の形式で行われたワークは、「はたらく部」と中高生向けのアントレプレナーシップ教育プログラム「起業ゼミ」を運営する株式会社ガイアックスが連携して取り組む「探究学習プログラム」(※)の最初の事例となりました。
(※)「探究学習プログラム」は、2023年3月から全国の中学校・高校50校を対象に「はたらく部×起業ゼミ」として無償提供を行うプロジェクト。2020年より全国の中高生向けにアントレプレナーシップ教育プログラム「起業ゼミ」を実践してきたガイアックスと、バーチャル空間で社会人コーチと同世代の熱い仲間と社会について考えを深める中高校生向けキャリアのオンライン部活「はたらく部」を通して社会と学校の接点をつくってきたAlphaDrive・NTTドコモがそれぞれの強みを活かし、より教育的価値の高いプログラムを提供するもの。
現在もプログラムにご参加いただける学校を募集しております。興味のある学校関係者様は本ページの下部にあるフォームよりお申し込みをお願いします。
「早実セミナー」での探究学習プログラムレポート
登壇した「はたらく部」代表の山本の自己紹介では、はたらく上で大切にしていることとして「人と人をつなぐ場で、エンパワーメントさせること」「挑戦することが応援される場を作ること」などを軸にしていると述べました。場をつくることや、人をつなげて何かを生み出すことが好きで、得意であるという自分の強みを生かして、プロジェクトを作っています。
最初に話されたのは「はたらくことってどんなイメージ?」というもの。
何人かからは「苦労に見合ったお金を稼ぐこと」「お金をもらうため時間や労力を使う大変なこと」などの声が上がりました。どうやら、みなさん何となく大変そうなイメージを持っているようです。
はじめのワークでは、「おまんじゅう屋さんの製造過程で発生した不良品をどうするか?」というテーマで、実際にあった事例をもとに、作る側の目線・買う側の目線で考えました。(破れてしまったおまんじゅうにゴマで目をつけることで、可愛らしい表情ができ、SNSで反響が生まれ、正規の価格で販売ができたもの)この事例のポイントは、付加価値のつけ方や発想の転換は特別な発想ではなく、日常におけるほんの少しの工夫や着想が、ビジネスチャンスになることがあるという学びです。
他者の悩みを解決し、ハッピーにすることは、「起業」「新規事業」と同じであると述べた山本は、続いて「さんぽセル」の事例を紹介。クラウドファンディングで多くの支援を集め、重たいランドセルによる負荷を軽減するツールとして企業と小学生が開発にあたりました。ランドセルの負担は多くの小学生にとっての課題であったことから、発売したところ4カ月待ちの人気商品となりました。
新規事業とは、いつも「不」の解消であり、まだ解決していない課題を持っている人を見つけることで、身近にある不満や疑問に従い、問いを立てることが大切だと語りました。
続いて、「学生と大人の違い」について。学校を卒業して社会に出るというと、大きな変化があるように感じられますが、学生生活からつながっていくものです。学生のうちに社会を知る・自分を知る・やってみるという体験を重ねることを大切にしていて、社会人がどのような活動をして、はたらくとはどういうことかを、社会人から直接聞くことができるのが「はたらく部」の特徴です。生徒のみなさんは、集中して聞いていました。
最後に、スタートアップとスモールビジネスの違いや、国内スタートアップ企業の資金調達ランキング、時価総額が桁違いの海外ユニコーン企業の紹介など、起業に関する様々な事例を、数字を用いながら具体的に紹介しました。
授業のあと、生徒たちの感想
ワークショップの前には「お金を稼ぐための仕事」という印象が多かった「はたらくこと」へのイメージでしたが、終了後には、ポジティブな印象に変わったという回答が多く寄せられました。
・お金を稼ぐのはもちろんだが、社会のために誰かの役に立つ仕事をしたいと思った。
・山本さんが今の仕事にやりがいを感じているんだなというのがすごく伝わってきて、自分もこんなふうになりたいと思った。
・起業することの概念が変わった。将来にとても役に立つ考えだった。
ご協力いただいた鈴木先生の授業後コメント
早稲田大学系属早稲田実業学校 数学科教諭、教育戦略室
鈴木 祥之先生
「はたらく部」にお声をかけていただいた理由・期待していたところ
私は学校と社会の壁を無くしていき、中高生の教育に教員だけでなく社会の方々が関わって下さったり、中高生が社会へインパクトを与えていってほしいと思っています。そのきっかけになり得ると目をつけたのが「アントレプレナーシップ教育(以下、アントレ教育)」です。しかし、私自身はこれまでアントレ教育を学んできたことがありませんでしたし、社会との繋がりをほとんど持っていませんでした。アントレ教育の情報をいろいろと調べたときに、AlphaDrive×ガイアックスの「はたらく部×企業ゼミ」の取り組みを見つけて、声をかけさせて頂きました。
「はたらく部」に期待していたのは、山本様のご講演とモチベーションが高い生徒の「はたらく部」への参加になります。アントレ教育を進める際に知識のインプットも大切だと思いますが、まずは実際に起業された方に社会のリアルな話をしてもらう方が生徒にとってはイメージが湧くのではないかと考えていました。そこで、「はたらく部」を立ち上げた山本様に話をして頂くことで、生徒たちにも「自分たちでも社会を変えていけるかも」という感覚を持ってもらいたいと思い、お願いをさせて頂きました。
授業の感想
事前打合せでもお願いをしていた「ワクワク」と「ワークショップを通じて社会の課題解決を自分ごとにする」を取り入れて下さった授業を行って頂き、私自身も生徒と一緒に楽しませて頂きました。
・「勉強」だけでなく「人と人とを繋ぐこと」など自分の強みを生かしてどう生きていくかが大切である
・「はたらく」とは他者の悩みを解決しハッピーにすること
・学生にしかできない、学生の周りの「不」に気づくことで社会の課題を解決できる可能性があること
・企業に所属しながらも起業することができる「イントレプレナー」という存在が企業で重要になってきていることなどを伝えて頂き、これからアントレ教育を受けて実際に社会課題「こと」を解決する「もの」を創っていく生徒たちにとって良い刺激となりました。
今後のキャリア教育や高等教育に必要なことや課題感をどう捉えているか.描くビジョン
私の今のビジョンは、The OECD Learning Framework 2030で示されているものを踏まえつつ、「生徒も社会の一員であり,社会を良い方向に変えていくことができる存在であるという認識を当たり前とした社会を創る」ことです。
今の全ての教育の課題は「社会と学校が分断されていること」だと思っています。
学校では試験の点数を取り良い大学や学部に行くことを目的としてしまうことが多く、「何のために学んでいるのか」や「学んだことがどう自分の人生や社会に繋がっていくのか」「点数では測れない一人ひとりが持っている自分自身の強みや価値」がわからない生徒を育成してしまっています。
昔の社会ではそのような教育で育った生徒が活躍できたかもしれませんが、今の社会では山本様の言葉を借りれば、答えの無い他者の悩みを解決しハッピーにすることが求められています。
その手段を他者と共に学び体験・実践する場が学校であり,そこで行う教育は教員・保護者だけでなく実際に社会に属している社会人や地域の人などと一緒に行っていく必要があるはずです。
社会と学校の壁を無くしていき生徒に対して教員だけでなく社会人などと一緒に教育を行うことで、学んでいることが自分や社会の成長に繋がることを知り、生徒であっても年齢に関係無く社会の一員として社会を変えていくことができる存在であることを体感してもらえれば、個人・社会のWell-Beingが高まっていくことに繋がっていくと考えています。
ぜひこの記事を読んで下さっている社会の方々も、学校と社会の壁を無くし未来を創る生徒の教育にさまざまな形で携わってもらえたら嬉しいです。
ご協力いただいた早稲田実業学校高等部の鈴木先生、生徒のみなさま、ありがとうございました。
「はたらく部」では、これからも「自分の道を自信を持って切り開いていく人」を育てることをめざし、様々な切り口でコンテンツを提供してまいります。「世の中にはこんなに面白い仕事があるんだな」「自分はこんなことに興味があるのか」など、毎回新しい発見につながる学びをお届けします。遊ぶように楽しみながら、これからの社会で活きる知識や力が身につきます。
<本プログラム開催までの流れ>
①事前面談お申し込みフォームにご入力ください
②担当者とオンラインにて30分の事前面談の実施
※こちらで具体的な授業内容や実施形態などについてご相談いただけます
③双方合意のうえ、実施する場合ご契約
④授業開始
高橋 亜美
はたらく部 広報